2017年3月6日月曜日
NIKKOR-S Auto 1:1.4 f=50mm Nippon Kogaku Japan No.560494
Fマウント用のF1.4標準レンズの2世代目。先代の58mm(5.8cm)を改めて、RF機では当たり前の標準レンズの焦点距離を実現したFマウント最初の50/1.4。開発の話はニッコール千夜一夜物語の四十四夜で大下孝一氏が書かれてるので、そちらを参考に。それに因れば、50/1.4を実現しただけでなく、生産方法等ニコンの中でエポックなレンズだったようです。
最近、コシナのフォクトレンダーのNOKTON 58/1.4が、どこかで見たようなデザインにリニューアルされた。特にレンズの前枠がシルバーの方は、ニヤっとしてしちゃうルックスだ。NOKTON 58/1.4はコシナ・トプコールからの派生なので、コシナ・トプコールを所有する身には琴線に触れなかったが、リニューアルしたバージョンは一寸トキメク。困った。
あれ?このレンズの話じゃ無い・・・
先代の5.8cmからなんとか5cmにしようと頑張った物なので、先代と比較して見て行くとする。
開放 - α7、JPEG
開放でのお猿さんは結構モンヤリ。5.8cmは「中心は良いが周辺はゴメンね。」ってタイプで、新しい50mmは中心だけでなく、全体の収差を出来るだけ抑えようとしてる様子。強烈な暴れは無く、ほどほどに納まってる感じだ。こういった被写体の実写の印象は中心部の抜けが良い5.8cmの方が良好に感じる。5.8cmは詳細に見るとアッチコッチでエライ事になってるのですけどね。
F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
遠景撮るならF4からで十分写る。F8で粗全面でカッチリ&クッキリ。
F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
5.8cmは昔のブラウン管TVのようにモッコリ曲がって見えるが、50mmは随分と改善されていて良好。街で使うにはビルや電柱が極端に曲がらずに気持ちいい。
F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
先代もこれもモノコート。逆光だとフレアでコントラストは下がるが、どちらもハッキリしたゴーストはあまり出ないと思う。デジだとカメラとの相性もあるのでなんとも云えない。
場面によってはハイライトのトーンも解像もフレアで消えちゃいます。
F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
もうちょい絞りたかったがシャッター速度を優先してF2.8で撮影。F2.8では周辺に甘さ残る。周辺減光も残る。
F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F5.6と書いたが、F4だったかも?何れにしてもF4からは十分にシッカリ写る。
開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
開放ではお猿さんと同印象。5.8cmの方が写りが良いとは云わないが、印象では中心の抜けが良い。全体の収差量の大小だけで、実写の印象は決まらないのが面白い。もしかすると全体の収差の量って大差ないのかも?「あっちを立てて、こっちを捨てる。」と「全体に均して」の違いなのかも知れませんね。
開放 - α7、JPEG
最短撮影は60cm。もう少し寄らせてよと感じてしますが、当時はRFカメラの1mと比較すれば、60cmでも寄れるって印象だったのかも?
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
開放を5.8cmと並べて比べてみると、中心も含めて50mmの方が良好に見える。なのに、実写の印象だと5.8cmが開放は印象が良い。なんででしょう?5.8cmは中心以外はドロドロ。周辺画質が酷いから相対的に真ん中の抜けが良く見えるのかも知れない。こんな曖昧な感覚を相手に良いレンズを目指すのって大変そう。(笑)
F4やF5.6で50mmは5.8cmを遥か凌ぐ。正直比べるのも意味無い位に差がある。50mmはF8で画面全域に渡ってシャープ。対して5.8cmはF11まで絞っても、厳密には最外周は解像しない。
筒の見た目は同じようなレンズですが、50/1.4はスペック以上に異なる世代のレンズの様。例えるなら、小学校の上履き運動靴とスニーカー位の違い。(通じるのは昭和何年生まれまで?)
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
カブでのボケ具合も、5.8cmと比べると、ずっと大人しく暴れはない。今の目でみると古典的な大口径標準レンズらしい写りだ。
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