Nikon1 CXマウント用の単焦点標準レンズ、18.5mm/F1.8です。Nikon1はこのままフェードアウトして行ってしまうでしょうが、個人的にはV1・J1の第一世代機から高く評価していた。システムとしての可能性に期待して居たので大事に育てて欲しいと願ってたのだが非常に残念。Nikon1の先進性は今の最新型135フルサイズ・ミラーレス機が誇る、消失しないEVF、まるで動画のような高速連写等をV1やV2で実現してた事でも明らか。あのまま正常進化を続けて居れば高性能小型システムになったので本当に残念。
デジタルなら出来る事を示したデジタルガジェット的な面白さに満ちた規格だった。低解像度ながら1200fpsのハイスピード撮影なんて、デジタルサンプリングマシンとして素晴らしい機能。インターバル撮影も搭載してた。(V2で消えちゃったけど・・・)
ピクチャーモードの種類を競うのなんてどうでもいい。デジタルカメラはサンプリングマシン。ピクチャーモード等はサンプリングした後のデーター処理の話なんでサンプリングの性能では無い。ソフトの後処理の話。サンプリングマシンとして大切な本来の機能を高めるのがデジタルカメラの進歩の王道。AF性能、連射性能、シャッター性能、Dレンジ、サンプリング解像度、大きさ重さ、堅牢性、操作性、等など様々な撮影シーンで、より良いサンプリングが出来る可能性を高める進歩を目指して開発して欲しい。
残念ながら市場で価値を認められずにオワコンとなるのが惜しくて愚痴が長くなりました。本題に・・・
18.5/1.8が出てきた時は正直意外に感じた。先進性で突っ走るのかと思って居たのでね。Nikonさんも迷いがあった様子で、尖ったデジタルガジェットで突っ走ってもお客さんがついて来ないので、あれこれ試行錯誤だったのだと思える。試行錯誤の結果がV3からの路線変更。他社の小型のミラーレスに歩調を合わせて「僕もそっちの仲間ですよ~」って阿ってしまった感。(あ、また愚痴になっちゃった・・・)
18.5mmは、こうして僕の玩具になってるワケなので、存在は嬉しいですけどねw
こうしてV1につけると前玉小さくて格好はイマイチ。
1NIKKORのバヨネットフードはスグ取れちゃうので嫌い。Φ40.5なのでRFレンズ用のネジ込フードを付けてます。この方が見た目もカッコ良く見える。
このレンズAFを作動させるとチキチキと音がします。中古で買ってきてチキチキ言うので壊れてるのかと疑ったけど、Nikonの人に訊いたら「チキチキで正常」と言うので正常らしいです。あまり嬉しい感じはしないよチキチキ・・・
チキチキ以外は不満点ない。絞りリングどころかピントリングすらないので操作性もなにも関係無い。ピントリングも絞りリングもなくて全部ボディから操作。MFはボディのダイヤルをクルクル回してピント合わせる。決してやりやすい方式では無いけど、全部AF任せで撮って、MF使うのは三脚据えての接写くらいなので不都合は余り無い。OM707の時代とは様変わりした物です。
ミラーレス黎明期のカメラなので、得手不得手もあったり、動作も首傾げる所もあるけど、それだけに開発重ねて熟成して欲しかった規格だね・・・ あ、また愚痴に・・・
開放 - Nikon1 V1、JPEG
大口径F1.8と言えど18.5mmなので、こんな感じ。135判でのF5.6位の深度なのでね。その分開放でもクッキリ写ります。樽型湾曲は目立ちます。開放F値が明るいからと大きなボケを期待して買うとガッカリする人も居るかもね。
初期の機種であるV1やJ1等はJPEGの画像エンジンがイマイチ超えて残念な画を吐く時が多々あり、買った一般ユーザーをガッカリさせて売上減少にマイナス貢献してたのもジリ貧の一要因かも・・・愚痴。
開放 - Nikon1 V1、JPEG
いつものフチ子をいつもぐらいの距離で撮ると、こんな感じ。クッキリ綺麗に写って、それほどファンタジーな写りにはなりません。
Nikonでは135判フルフォーマット規格をFX、APS-Cサイズ規格をDX、Nikon1規格をCXと、それぞれ名称付けて居ます。最近のミラーレス機はショートフランジバック規格と言われてます。それは従来のFXやDXと比較して比率的にバックフォーカスが短い規格になって居るからです。CXシステムのバックフォーカスは17mmですが、NikonのエンジニアさんにCXはショートフランジバック規格では無いと説明されました。言われてみればその通りです。CXのDX換算焦点距離は凡そ2.7倍です。NikonのDXの規格Fマウントのフランジバックは凡そ46mmです。46mmを2.7で割ってみれば凡そ17mmになります。CX規格は比率的にはDXと同じなのが分かります。CX規格はDX規格の縮小規格なのです。
縮小規格だから何だ?と言うと、使用者には関係無いのですが、設計する側の話はショートフランジバックの規格とは話が変わって来るハズ。標準レンズの話で言えば、バックフォーカスの長い一眼レフはLeicaのようなRF機に比べて標準50mm位のレンズの設計が難しいのですが、最新のNikon Zや、SONY FEやCanon Rなどミラーレス機はLeicaよりも設計自由度が上がって画質向上に有利な規格です。でもCX規格の標準レンズは一眼レフ用レンズと同じ設計上の苦労があります。あと、縮小しても同等性能を求めると要求される性能精度は、やっぱり2.7倍なので大変そう。
開放 - Nikon1 V1、JPEG
このレンズの最短撮影距離は20cmです。それぐらいによって撮ると深度の深いこのレンズでもこうなります。前回のAF NIKKOR 50/1.8と比べてみると分かりやすいと思います。このレンズはインナーフォーカスなので2.7倍の理屈の現象が、そのままは現れませんが納得出来ると思います。
開放 - Nikon1 V1、JPEG
縮小光学なので被写体も縮小してフィギュアのポートレート撮影会にはピッタリなレンズですよw
F3.2 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
F3.2 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
持ち歩いて、こういった撮影をする時には縮小規格の意識は不要。普段の気持ちと変わらずに撮影出来る。EVFでの撮影は光学一眼レフと異なりセンサーの大きさはファイダー像の大きさに関係無い。気をつけるのは絞り値。いつものα7と50mm位のつもりでF8で撮っちゃうと絞り過ぎ。回折で像が甘くなってしまうのでF2.8前後を意識して撮る。
F2.8 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
F2.8 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
F3.2 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
V1はDレンジが少々狭いのが辛いが、センサーのDレンジに収まってる撮影なら意外と素直なデーターを得られる。他社の小型センサーミラーレス機のデーターより化粧が少なくてRAW現像に適してるデーターを得られる。後継機のV2よりもセンサーサイズと解像度の無理が無いのか、嫌な感じが少ない。
F3.2 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
F3.2 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
このレンズは樽型の湾曲が大きい。V1は自動歪み補正が非搭載なのでファインダーの中で盛大に曲がってる。RAW現像時にプロファイルをあてれば補正されるが、視野率100%で撮ってたのが削られる事にはなります。
F2.8 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
マクロレンズ程ではないが135判の標準レンズより、ぐっとよって換算撮影倍率が2.7倍。なので手持ちスナップならマクロレンズ要らず。絞り過ぎないとの、普段より寄れる事を意識して歩いてると普段と違う被写体にも目が向く。その点で撮影範囲は135判標準レンズより広いレンズです。
開放 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
開放で撮ってないのを気づいて、やっつけで撮った花。小さい被写体は得意です。この条件のボケは少々硬いと感じますけど・・・
F2.8 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
F3.2 - V1、RAW>Lightroom>PhotoShop
センサーDレンジが狭いので輝度差あると飛んじゃいます。135判デジなら空のトーンが残りますが残念ながら無いです。
F1.8 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
テストはNikon1 V2で撮影してます。自動歪み補正はOFFです。いつものα7での撮影とは条件が違いすぎなので比較しても意味ないです。このシステムで撮影された結果を見るだけです。
湾曲が大きいのが遠景テストでも判ります。開放での写りは、いつも見てる135判の古いレンズからすれば非常に端正です。開放で像が流れて崩れる事はありません。小さいセンサー用の最近のレンズは開放から性能出るので開放で問題無いと伝え聞きます。しかし、F2.8くらいがベストの様子です。F8からは回折の影響でしょう、解像が悪くなってます。
NikonV1やJ1等のNikon1シリーズ初期の機種のPモードのプログラムラインは、大きなセンサーを積んだ機種のプログラムラインの流用らしく、CXフォーマットでは絞り過ぎの値で撮影されてしまう場面が多々あります。ちょっと間抜けな仕様です。Aモードで絞り値を設定して撮影した方が良いです。面倒くさいですけどね・・・
F1.8 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
ボケ量に関しては135判とは比べものにならないですが、逆に深度が欲しい時にはありがたいです。ボケの量より少々硬く二線ボケ傾向なのが、今どきのボケるのがウリの大口径レンズとしては意外な感じです。前ボケ側にパープルフリンジが見られます。
ボケと関係ないですが、前玉動いてる様子は無いので、インナーフォカースかリアフォーカス(多分リア)なので全体繰り出しのレンズと比べて随分ワイドになってます。全体繰り出しのレンズは近接時は焦点距離長くなるので、結構な差が開きます。
とっさの時に沈胴ズームを繰り出すのは、まどろっこしい時もあります。10-100mmのズームはメチャクチャ便利ですが1NIKKORの中では重いです。その点で18.5/1.8は軽くて電源入れれば即片手で撮影出来ます。1インチセンサー搭載のレンズ固定のコンパクトカメラも多く売られていますが、それらより沈胴しないレンズの余裕か性能も確かです。Nikon1もってる人は入手して使ってみたら面白いですよ。出来ることが少ないのは考える事も、やる事も少ないので脳ミソにも軽快です。実測71gの標準レンズお薦めですw
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