NewFDにはF1.2大口径50mmが、研削非球面レンズ採用のNewFD50/1.2Lと球面レンズのみで構成されたNewFD50/1.2の二種類あります。今回は「L」無しの球面レンズのみの通常品です。
80年代は一眼レフの小型軽量化が競われた時代で、各社1mmの外形寸法を争ってました。70年代はF1.2大口径標準は各社とも55mmや58mmと長焦点気味でしたが、80年代になってF1.2も50mm化された上に、小型化の流れで馬鹿デカクせずにギュッと濃縮した小さいけどズッシリなレンズ。
この後にAFの時代になるとキヤノン以外はF1.4を超えるクラスの大口径レンズをラインナップしなくなってしまうので、一眼用F1.2大口径標準レンズの一期が終わる各社レンズです。今現在になって振り返ると、この時代以降の大口径標準レンズは非球面レンズが使われてる物になってます。球面レンズだけで作られた大口径標準レンズの最終章として各社50/1.2は個人的には貴重なレンズ達として価値を感じます。
小型化を図りながらガラスが詰まった感じはいい感じです。でも、ライバルメーカーさんの筒と比べると機能的には問題なくても質感・風格はちょっと負けてるかも。でも、これがキヤノン哲学。キヤノンは軽薄そうに見えるかも知れないけど、ユーザーに媚びない芯があるんだよ。媚びずにユーザーに提案・提示して来る。
開放 - α7、JPEG
開放のお猿さん。MD ROKKOR50/1.2、ZUIKO 50/1.2、Ai NIKKOR50/1.2とこれで、この時代の50/1.2は四本目のレポートで、開放のお猿さんはROKKORとNIKKORがスッキリしてるかな?撮影日時が全く違うので判断付きにくい。晴天だとコントラスト下がって見えるっぽい。まぁ、こんなものでしょうね。(笑)
開放 - α7、JPEG
最短付近でフチ子。15cm位の大きいフチ子です。
ピントのエッジは立ちません。
F2 - α7、JPEG
F2に絞るとピントにエッジが出てきて上等です。
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8に絞って大変良く写ります。十分に写るでは無く、優秀に良く写ります。
前回のZUIKO 50/1.2は解像は優秀でしたが、逆光に弱かったです。これはそんな事もありません。ハイライトからシャドーまで40年前のレンズですが現代的にシッカリ写ります。(笑)
F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
遠景では開放とF1.4は軸上色収差も目立ち中心のフレアにマゼンダが乗ってます。フチ子の時にF2でグンと良くなったの同様にF2から画質が大幅に上がります。中心はF2でフレアも取れて切れがあります。F2.8で短辺内接円の範囲は良像範囲になります。F5.6で全画面で粗良像範囲です。優秀です。F8で文句なし。
この時代の主要各社の50/1.2は、どこも頑張って作ってたのが伺えます。
開放、F1.4は殆ど一緒ですね。カラーフリンジもありますが酷く目立つワケじゃないです。F2は大変上等だと思えます。ボケも綺麗です。真面目にF2はお勧め出来る。僕の撮らない系だけど女性ポートレート系にはF2~F2.8は良いとおもうな~ (毎度の無責任発言)
この時代の戦後の日本カメラメーカーさんが切磋琢磨して技術開発した到達点の時代のレンズだと思います。この後からは時代はズームと非球面レンズの世界に邁進して行きます。凡そ30年の標準レンズの開発停滞期に突入。
135判ミラーレス使ってて、高品位なレンズを求めて昔のレンズに興味あったら、一時代の高級標準レンズなので、この時代の50/1.2クラスは良い物です。今時のレンズと狙いのコンセプトが違うので今のレンズの写りの代わりにはなりませんが、逆にこの時代のレンズの様な写りのレンズは今は少ないと感じてます。
0 件のコメント:
コメントを投稿