135判SLR用の標準レンズで最初に50mmでF1.4を実現したのが、Super-Takumar 50/1.4。Super-Takumar 50/1.4は黄変色するアトムレンズで知られているが、これは黄色くならない初期型の8枚玉って奴。高屈折率の新種ガラスを使用せずに50/1.4を実現する為に8枚ものレンズを使って頑張ったレンズ。既に紹介済みの7枚玉のSuper-Takumar 50/1.4と比較してみたい。
見た目は7枚玉と殆ど変わりません。重さは実測で10g重い243g。筒のバージョン違い程度の差。
8枚
8枚玉のお尻から反射をみるとこんな感じ。丸した部分が明らかに反射面が多いです。
7枚
7枚玉と8枚玉の見分け方は諸説イロイロ云われてます。イロイロありすぎて頭の悪い私は「あ~何がどっちだっけ?」とサッパリ覚えられない。個人的には後玉の反射で確認が一番簡単に思います。もっとも7枚玉はガラスが先ず黄色いので判りますね・・・
開放 - α7、JPEG (8枚 - 7枚)
鮮明度は大して変わる様に見えない。ボケの描写が多少違います。どちらも2線ボケの傾向ありますが、8枚玉の方がリンギングがボテっと太い感じです。
開放 - α7、JPEG
開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
2017年10月に空鉄シリーズで知られる吉永陽一さんの写真展「路(みち)」を拝見しに福島県いわき市のギャラリー コールピットを訪ねた時、展示会場で作者記念?ショット。
珍しく開放ポートレートで始めた後は、ずーっとF8が続きます。
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
さて、どうしましょう?
改良型の7枚玉と比較して初期型8枚玉の描写はどうなの?ってネタなのですが、、、うーん困った。F8に絞って遠景撮ってる限り、遜色感じない。「良く写る良いレンズだなぁ」って感想。
F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
改良型7枚玉と初期型8枚玉の違い。写した結果を見ると大して感じませんが、実は使用・撮影中に凄く良く判ります。でも、この違いもフィルムカメラ時代の一眼レフのファインダーでは判らないと思う。私はSONY α7に着けて撮影してますが、ピントを合わす時にEVFで拡大モードで合わせます。拡大して観察すると初期型はフォーカス位置前後にカラーフリンジがかなりクッキリ現れます。改良型も現れますが、初期型より穏やかで改善されてます。
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
テストで詳細に比較すると、中心以外ははどちらもトロトロだが。8枚玉は開放からF4まで凄く解像悪い。テスト撮影時にフォーカスをしくじったのかと再度撮影したが変わらなかった。開放からF5.6まで7枚玉が明らかに良い。F8まで絞れば8枚玉も十分な画質になるが、それとて7枚玉の方が良い。チャートテスト的な比較をすれば改良型7枚玉は改良されて居るのが明らかだ。
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
近景でのボケの出方は8枚玉の方が柔らかい。ヘッドライトのクロームの部分に8枚玉はパープルフリンジが目立つ。8枚玉は球面収差がアンダーコレクション気味っぽい。
21世紀の今、現代のレンズの描写を拝見すると、ビックリするほど鮮鋭に描写します。50年前のレンズも場面によっては現代のレンズと遜色無い写りを見せますが、様々な場面での描写を見ると、現代のレンズには及びません。高性能な現代のレンズに至るまでに、小さな改良の積み重ねがあっての事なのを、50年前の8枚玉と7枚玉のスーパータクマーは、現代に掲示してくれました。
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