4/3用の大口径標準レンズ25/1.4。パナソニックなんだけど、ライカブランドを纏ってて、しかもズミルックス。フィルター径62mm、重量510g、大きさも名前も立派なレンズである。
135判の標準を集めて来たので、4/3判のレンズは収集の対象外なのだけど、いつものM様が貸してくださると仰るので、ありがたくお借りした。135SLR用とは全く異なる光学系の4/3用の25/1.4がどんな物かは非常に興味がある。9群10枚とは贅沢品、フォーマットサイズが小さい4/3とは云え、バックフォーカスは結構長い。25mmで造るのは辛いのではなかろうか?
それにしてもデカイ!アダプター挟むと更にデカイ!これに純正花形フード付けると200/2.8に見えるよ。
まともな4/3ボディは所有してない。パナソニック純正の4/3-m4/3アダプターも一緒に貸して貰えたので、最新ではないけど、そこそこのスペックのDMC-G3を調達した。オリンパスのE-420もあるのだが、E-420のファインダーでは何処にピント合わしたのかサッパリ判らないので却下。だが、E-420が後に役に立ったのであったけど。。。
開放 - DMC-G3、JPEG
このレンズをG3に付けて撮った印象は、最初ちょこっと撮ってG3の背面液晶で確認した時に「おぉ!凄いんじゃないのこのレンズ!」とビックリした。開放でのお猿さんの写りは、その印象通りにコントラストが高くモヤモヤとした所が皆無でクッキリ!25mmだから深度深い事を差し引いても、こりゃ立派な凄い写りである。
が、、、しかい、、、その後使い続けて行くと、次第に「ん?」「うーん?」「んんん~ん?」「あれぇ?」「あ~~~~そうなのねぇ。」っと推移して行くのであった・・・
F5.6 - DMC-G3、RAW>Lightroom>PhotoShop
開放 - DMC-G3、RAW>Lightroom>PhotoShop
F5.6 - DMC-G3、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - DMC-G3、RAW>Lightroom>PhotoShop
RAW現像しての印象だと、開放~F2.8位までは上等だが、それ以上は思ったよりキレが無い。4/3だから回折の影響でF8あたりから怪しくなって来るのは理解してるが、F4やF5.6の写りが腑に落ちない。悪いワケではない、均一性は良いし、像が崩れて流れる事も無い。でも、キレが悪い。このキレの悪さは開放からずっとある。画像としてコントラストは高いのだけど、細部を見るとキレが無いのである。RAW現像から画をケアしながら作って行けば、バレない程度にパキっと画は作れるから写りとしては問題は無いけど、少々納得行かない不思議描写のレンズの印象。
開放 - DMC-G3、JPEG (少々トリミング)
身内のお祝いで珍しく高価な物を食べたが、メインディッシュを撮り損ねた・・・
さて、このレンズ、G3に付けて開放で撮ってJPEG撮った出しだと素晴らしい。素晴らしいの意味はファミリーカメラ的な素晴らしさ。JPEGの画はアドバンスド・コンパクトデジカメな写りだ。G3は記念写真撮ったり、旅の記録を撮ったり、難しい事言わずに撮っとけば完成されたJPEGを残してくれる見事なカメラだと思う。
普段はレンズの事を語って、カメラの事は語らないけど。このレンズはカメラ抜きでは語れないし、カメラ抜きで語るべきレンズでは無いようだ。
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
ボケは25mmって事なので、やっぱりF1.4でも大して大きくはボケない。しかし開放からクセが無く綺麗なボケを得られる。このボケの感じは最近の大抵の単焦点レンズは同様に綺麗な印象を持っている。昔とちがってユーザーが単焦点レンズに対して、綺麗なボケの要求が非常に高いらしく各社とも今は相当意識して設計してる様子。
G3による定点撮影では解放からコントラストも高く、エッジはぬるいが悪くない。F2,F2.8と絞って行くと周辺減光も減りながら少しづつ向上して行くけど、大きくは変らない。もともと開放から周辺減光も少なくて、理想レンズに近い物なのかも知れない。が、なんか変。どの絞り値でも本当の意味でキレが無いのに、ある程度の線の太さを保ったままクッキリなのである。
この状態の画は身に覚えがある。少しピントを外してしまった写真をレタッチで誤魔化した画に近い。
E420_F1.4 - E420_F2 - E420_F2.8 - E420_F4 - E420_F5.6 - E420_F8 - E420_F11 - E420_F16
さて、怪しいのでオリンパスのE-420で撮ってみた。結果はご覧頂ければ判るが、ちょっと標準レンズとしては普通のレベルでは在り得ない程度の倍率色収差が盛大に出てる。
なるほどねぇ。このレンズは色収差は初めっから取る気ないね。画像エンジンとセットで造られてるようだ。今時のレンズは少なからず、その傾向はあるのだろうが、旧システムのマウントを使ってるカメラは今までのレンズでもキチンと写るようにカメラを作るし、レンズだって昔の同じマウントのカメラに付けてある程度は写らなければならない。ニッコールのAF58/1.4Gが、D4sでバッチリで、F6に着けたらボロボロってワケには行かない。しかし、旧システムを引きずってない新マウントのカメラは初めっから画像エンジンとセットで造るのは当然と言えば当然。
最近のデジタル対応の監視や工業用カメラ用のCマウントレンズは、20万画素、200万画素、メガピクセル対応なんて風に、想定解像度に会わせてレンズの高周波特性をコントロールしている。これはケチなんじゃなくて、低画素のセンサーに高解像度のレンズ合わせても弊害しか出ないからだ。サンプリングレートに対して適切なレンズをあてがうのが無駄もないし、サンプリング歪も出難い。D SUMMILUX25/1.4は2007年発売。まだ、m4/3は無いし、パナソニック最初の4/3カメラのL1が発売になった時だ。パナソニックは、もしかすると、高周波特性まで、L1決め打ちで設計しちゃったのかも?特に4/3規格はローパス特性まで規格に入ってるような事を聞いた記憶がある。オリンパスのE-5の時に高画素センサーにローパス特性をあわせたと発表されてる事からも、最初期の500万画素にマッチングされてる事も考えられる。
ターゲット画素数にバッチリ高周波特性合わせて、色収差等を画像エンジンと合わせて設計したレンズなのでは?
あぁ、、、こう云う事書くからアングラなんだよね。