2015年12月13日日曜日

Argus Auto-Cinter 1:1.7 f=55mm 107830 Japan





アーガスブランドのAuto-Cinter 55/1.7、チノン製でAUTO CHINON 55/1.7のデザイン違い品。Argus CR-1やCR-2、CR-3Eと云った格好悪いカメラの付属レンズ。ピントリングが格好悪いが、このディンプルラバーがCRシリーズの特徴だったりする。



双子レンズのお尻、左がAUTO CHINON、右がAuto-Cinter。

元のAUTO CHINON 55/1.7と比べると、Auto-Cinterの方が実測で10g重かった。反射の色を見る限りは後群のコーティングが異なるようだ、前群は同じに見える。放置して置くと絞りが粘って固着するのも同じ・・・


開放 - α7、JPEG

開放のお猿さん。全体的に「もんやり」。大きく崩れたり、流れたりはせずに、ひたすらに「もんやり」。像が「グズグズ」とならないで、「もんやり」のレンズは絞れば使えるレンズの場合が多い。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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絞って撮れば不足なく写る。少々ハイライトはフレアっぽいが全体的には良好だ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

不足無いなら満足かって問われると、「うーん、もう一息。」な印象。なら駄目で嫌なのかと問われれば「特に困る事は無い。」 これで撮ってろと云われれば不自由はしない。



F1.7 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16



F1.7 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ローコストな普及品としてみれば、十分以上に良く出来てる物だと思う。これに及ばない普及品、もしくはより高級品もある。真面目に作られてる物で、こういった製品が世界で「安くても良く出来てるメイド イン ジャパン」を築いたのでは無かろうか?

良く出来てると言っても、特別に優秀なワケではない。実用上で不満なく十分に写るって意味であり、特別高画質って事はない。遠景はF2.8でも実写での少々甘い印象通りに甘い。実使用でもF5.6以上に絞りたい。それでも、開け気味でも崩れて流れる事は無いので、汚くは成らないし、倍率色収差は良好に補正されている。

ボケは嫌な硬さは無いが、カラーフリンジは少々目立つ。

2015年11月22日日曜日

OLYMPUS G.ZUIKO AUTO-S 1:1,4 f=50mm 110522






オリンパスからハーフ判一眼レフのPEN Fシリーズと、135判の一眼レフOMシリーズの間で一機種だけ発売されたM42マウントの一眼レフFTL用の50/1.4標準レンズ。

OMシリーズ用の50/1.4と同じっぽいのだが、本当のところは判らない。PEN FやOM用とは違い絞り環が一般的な一眼レフ用レンズと同様なマウント側にある。M42なんだけど、FTLでは開放測光対応。オリンパスらしくプレビューボタンはレンズにあり、ロックボタンを押して倒すとロックされて自動絞りを止めて、実絞りで使用出来る。


開放 - α7、JPEG

まぁ、こんなモンでしょう。若干後ろボケのカラーフリンジが目立つかな。


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

秋は様々な物が赤く染まりますよ。

F2.8で中心部の切れはいい。ボケも硬さ取れて来るけど、やっぱり場所によっては若干カラーフリンジ目立つ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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絞っての写りは好印象。コントラストは柔らかめだが、端整で綺麗。ピントも観易くてGOOD


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

もろ逆光。なかなか良いんじゃないっすかね。真ん中にシアンのゴーストが出た。ヘキサノン52/1.4と同様な絞り羽根とセンサーでの反射による物か?まぁ、もろ逆光だからねぇ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

と、思ったら順光でも真ん中にそれっぽい被りが・・・
α7との組み合わせに因る物か、レンズが持つ性質かは判りません。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

無限遠の開放は甘いけど、像が崩れるタイプではないので悪くないが、後ろボケがカラーフリンジもあって少々煩いので近景の描写は微妙。。。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

無限遠定点は中々良い。開放でも甘いが崩れは少ない。F2.8で良像範囲は短辺内接円をカバーし、その切れもいい。倍率色収差も良く補正されている。実写でも遠景の画は好印象だったのが納得出来る結果。

近接撮影のボケは、思ったより汚くない。ここまで寄っちゃえば良いみたい。人物ポートレートで多用する距離のボケが煩いようだ。このテストでもパープルフリンジやグリーンのフリンジは少々目立つ。

思うに、この時代(それ以前も)のレンズは無限遠を睨んで設計して、近接は成り行きって事なんじゃないですかね?撮ると、そういう印象を受けるレンズが多い。

2015年11月5日木曜日

RE GN TOPCOR M 1:1.4 f=50mm TOKYO KOGAKU LENS MEDA IN JAPAN (15701304)



トプコンと聞くと何故かワクワク。皆大好きトプコールである。(皆が好きかは知らんけど・・・) 今回はRE GNトプコール50/1.4。

GN(ガイドナンバー)連動レンズで有名なのがニコンのGNオートニッコール45/2.8と、このGNトプコール50/1.4とGNトプコール50/1.8の三本が思いつく。交換式レンズでフラッシュマチックタイプってこの3本以外にもあるのでしょうか?CanonのEX AutoのCATシステムがフラッシュマチックだから交換式と云えなくもないけど、ちょっと違うな。思いつかないから考えるのを止める。知ってる方は教えて。

若い人にはフラッシュマチックとかチンプンカンプンでしょうけど、文章で説明するのが面倒なので、興味ある方は他のサイト等をご参照下さい。(爆) まだフラッシュに自動調光機能が無かった時代にピントの距離に応じて絞りを合わせてくれる機能って言えばいいかな?概念を理解して現物を見れば簡単な仕組なんですが、文章では面倒くさい。



REトプコールはボディは無骨だけど、レンズはカッコイイ。GN以前のREトプコール58/1.4の方がエングレーブも繊細だったが、RE GN50/1.4も中々の男前。



トプコールと云えば専用フード!!!
うーん、男前だ。25mm用のフードもカッコイイよねぇ。

そうそう、最短撮影距離は40cmと頑張っててエライ。


開放 - α7、JPEG

開放でのお猿さんは、全体にモワンっとしてる。この条件での背景ボケはリンギングと云うよりリングボケに近い。余り見かけないタイプ。カラーフリンジもやや大目。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

お猿さんの条件だと開放はイマイチだが、開放でのスナップは像が流れないので悪くない。モヤモヤは浅い深度と合わさって効果になる。これが像が流れて崩れるレンズは汚くなる。


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F2.8ならモヤモヤは大分晴れてくる。端の花でもピントはソコソコ来るが、ボケは煩い部類なので、これは厳しい条件かな。


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って撮ると線が細くて気持ちいい。マルチコートされてるが、コントラストはソコソコ。柔らかくて線が繊細で、周辺まで像が崩れないので、RAW現像前提だとデジで嬉しいタイプ。

マウントが細いエキザクタマウント、同じ様に後玉が窮屈なHEXANON 52/1.4の時に出た様なゴーストを心配したが、このレンズでは発生しなかった。まぁ、後玉の直径でゴーストが出るワケじゃないから杞憂だった。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠景定点テストの開放をみると、画面全域にモヤモヤだが、モヤの向こうにある像は流れて無い。特に極々中心の像は細く繊細だ。F2.8でコントラストが全体に上がってモヤモヤは晴れてくる。F5.6やF8に絞れば良像範囲は周辺まで来る。画面の端の小さなアンテナも綺麗に描く。倍率色収差も良好。

近景開放付近のボケは綺麗な方では無い。モッサリした太いリンギングが乗る。F2.8まで絞ればリングボケっぽいクセも取れてくる。

例として近くを開け気味で撮ったりもしてるが、普段はあまり近くを撮らない。そんな僕には使い易い良く写るレンズだ。崩れない綺麗な線はRAW現像していても嬉しいし楽しい。それよりも見た目も造りもカッコイイ、お気に入りのレンズのテスト結果が上々なのは、とっても上機嫌だ。

2015年10月17日土曜日

SMC PENTAX-M 1:1.4 50mm 2207702 ASAHI OPT. CO., JAPAN



リコー、チノン、コシナと同じような時代のKマウント50/1.4を3本紹介したので、Kマウント本家のペンタックスの同時代の50/1.4に登場してもらう。本家の面目保てるのかな?



Pentax ME やMX用のPENTAX-Mシリーズレンズ。筒の造りの点ではMシリーズまでが良かった。ヘリコイドの感食、シッカリした絞り環のクリック。触ってて濃縮感が嬉しい。

僕が最初に使ったカメラは自宅に在ったキャノネット。自分の一眼レフが欲しくて欲しくて、遂に買ったのがリコーのXR500、付属のレンズはXR RIKENON50/2だった。家に無かった一眼レフを子供に買われたのが悔しかったのか、暫くして父が突然PENTAX MEを買ってきた。当時はAE専用機のMEは全く理解出来なかったが、付属のM50/1.4には惚れ惚れした。同じKマウントだったので、M50/1.4はチョイチョイ拝借して使って居た。写りの違いなんぞサッパリ判って無かったが、ガラスがイッパイで、コーティングや艶々でカッコイイのは子供でも判る。

今回紹介してる個体はその付属のレンズである。父は他界したので、形見になってしまった。


開放 - α7、JPEG

お猿さんはモヤモヤ過ぎる事も無く、及第点。2線ボケも強烈ではない。


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近めを開放で撮ったのは良い感じ。何処にピント合わしたのか行方不明にならない。


F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って遠めを撮った場合、良く言えば「柔らかい」、悪く言えば「若干切れがない」。α7のEVFは切れのあるレンズの場合は実絞りF8でもピントが掴めるが、ぬるいレンズだと掴み難い。このレンズは若干掴み難い。ま、十分ではあるので、ポジティブに「柔らかい」って事で。。。


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

近めを絞り開け気味の撮影はボケボケに成り過ぎずに端整。クセ玉的な面白みは無い。

僕の中でのペンタックスは尖がった所が無く、大きく破綻もせずに真面目で端整なイメージを持ってる。これと言った根拠も無く、なんとな~くの間に築かれたイメージなのだが、このレンズはそのイメージにピッタリ。大人になってからは大して使用して無いから、このレンズで築かれたイメージって事は無いハズなんだけど・・・



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

遠景テストの方は、F5.6程度だとまだ物足らない。遠景をシッカリ撮るなら最低F8って様子だ。実使用で遠めが柔らかく感じるのは、この辺りに原因があるかも知れない。

近景のボケは中々いい。開放付近でも像は甘いが流れない。カラーフリンジもあるけど酷い強烈なパープルフリンジは無い。さほどキレが無いのに、端整な印象なのは、像が流れないからかも?

さて、同じ様な時代のKマウント50/1.4を4本続けて見て来た。30数年経ってからのベストバイは、どれかなぁ?4本の中から選べと言われれば、遠景のキレが良いチノンかな。近景を開け気味で撮るならペンタックスの方が良い。チノンの近景開け気味はユルユル。