M42マウントのEBC FUJINON 50/1.4は前期型と後期型がある。前期型はガラスが黄変して真っ黄色になる事で有名な玉。今回紹介するのは後期型で黄変しないでクリアーなガラスの物である。ペンタックスのSuper-Takumar 50/1.4はクリアーな前期型から黄変する後期型になり、後期型の方が光学性能は高く見受けられた。EBC FUJINON50/1.4は逆の展開だけど、性能変化はどうなんでしょうか?聞き伝わる限りでは前期型の方が良いと聞きます。その答えは前期型をテストする時までお預け。今回は後期型を楽しみます。
M42時代のFUJINONはシッカリ作られてる。手の込んだカラフルな墨入れ、各所とも立派な造りです。Xマウント時代のやすぶしんの筒とは雲泥の差がある。この時代は兎にも角にもチープに作るって意識は無くて、普通にちゃんと各社作って居た時代。Xマウント時代のカメラやレンズをみると代を重ねるごとに徹底的に安いつくりになっていく・・・
ユニバーサルマウントと居えるM42マウントのレンズだが、フジの開放測光式M42マウント用の連動爪が絞り環に備わっていて、カメラやアダプターの形状によっては干渉して使用出来ない。写真のアダプターも、そのままだと干渉してしまうので、マウントの外周を自分でゴリゴリ削って干渉しないようにしてあります。
開放 - α7、JPEG
お猿さんでの描写は50/1.4としては普通に感じる。ハロでモヤモヤしてるが、まぁ並でしょう。湾曲は少々目立ちますがコレも並かな。ボケをみるとカラーフリンジが条件によっては目立ちそうな予感。
開放 - α7、JPEG
フチ子の顔のピントは甘い。開放の写りはお猿さん同様にハロっぽい。像は甘くてボケは若干硬い、昔の大口径標準らしい写りと云えば写りなので、積極的に活かせれば良いのでは?
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
見事です。F8で遠景撮影は不足を感じない。発色に濁りもなく綺麗に映えます。
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
対逆光もフレアが気になった場面は無かった。
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
絞っての写りはコントラストとカラーバランスが良好でRAW現像も容易い。カッチリと力強い。
開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
素の開放での写りはコントラストが低い現像から仕上げプロセスで調節。木漏れ日のボケは硬い。この場合はボケが小さいので目立たないが条件によってはカラーフリンジのケアをしたい。
F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F2.8は、もう少し写るかと思ったが少々緩い。グッと良くなる境目の絞り値はF4ですね。中心部はF2.8で十分にキレます。
開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
開放はコマ収差も目立つし、ハロっぽくハイライトの諧調も乏しい。フィールドでの撮影では開放はイマイチ。光がフラットな条件では使えるけど、強く硬い光のしたで開放では破綻しやすい。個人的には開放での写りは相性悪いです。
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
開放ではトンネルの中にドヨドヨした画像。甘い描写求める時でもF2にした方が中心はクッキリして来るから正解かも。F2.8で全体に良くなっては来るが、使った印象通りF4からの方が断然良い。画面内接円を画質的にカバーするのもF4から。ブランドの通ったメーカーのレンズの代表レンズとしての50/1.4としてはチョット物足らない。F4の画質をF2.8で頑張って欲しかった。F8に絞れば最外周は甘いが満足出来る画質になる。倍率色収差も簡単にケア出来る程度に抑えられている。
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
ボケはやはりリンギングが目立つ。開放からF2.8まではカラーフリンジも目立つ。ボケの性格も上等になるのはF4からだ。
絞っての遠景はクリアーな抜け発色と満足出切る解像で好きな写りだが、開け気味で撮った時はハロっぽくハイライトの諧調が失われる。これらを積極的に活かせるスキルと作風の人に使って貰えればレンズも幸せかな。