2018年8月16日木曜日

Nikon NIKKOR 50mm 1:1.2 369810



Ai50/1.2Sです。膨大なレンズ種類のニコンFマウントで50/1.2はAi50/1.2とAi50/1.2Sの2本だけ。AiとAi-Sのマイナーチェンジなので、実質的に50/1.2は一種となる。AFレンズでは標準F1.2クラスは登場してないし、この先も恐らくFマウントでは登場する気配は無い様子。これより設計が新しいのはノクトニッコール58/1.2だけなので、一般向けF1.2標準レンズとしては、2018/8/15現在で、これが最新レンズって事になる。(ノクトは特殊需要向けでしょ。) 驚く事にまだ新品で販売されてる超ロングラン品の一つ。オリジナルのAi50/1.2の発売が1977年って事なので凡そ40年前。2000年位には「まだ売ってんだ。スゲーな。」って感じだったが、2018年でもカタログに載ってるし、量販店で売ってる姿は地味だけど驚愕する。ニコン凄ぇ~よ。



50/1.2でもフィルター径はΦ52なのはNikkor。ズイコーさんのΦ49ほどでないが、それでも窮屈そうではある。先太りな筒でアダプターでα7につけても違和感少なく結構似合う。

Fマウントニッコールの絞り環は大口径の絞り値の設定の保持力が心もとなく、F1.2にもなると、気をつけないと設定してもF1.4に変わっちゃってる事が多いが、50/1.2は55/1.2等よりは保持力強い。これが単に新しいからクリックが強いのか、以前より改良されて居るのかは不明。

Ai50/1.2Sには銘板のNikonロゴにエラー品があるのを、数年前に教えて戴いた。40万番台のレンズで確認させて貰ったが、Nikonのoとnが変なのがある。



お判り頂けるかな?40万番台



これが私の36万番台。

マニアの方々は凄いですね。物知りです。
何番から何番がこの状態なのかは知りません。
きっと研究家の方々は答えを掴んでるのかも。


開放 - α7、JPEG

開放では周辺減光が大きいです。周辺減光に引っ張られてオート露出がオーバー目になってます。湾曲も大きいです。ボケは古典的ではありますが、硬いタイプではありませんね。若干条件によってはカラーフリンジが目立ちそうな気配あります。

昔のレンズレビュー等では、このレンズは柔らかいって書かれてました。フィルムで使った時の記憶では、確かにキレキレの印象は無く、湾曲が大きかったのであまり使って無いレンズです。でも、今なら大丈夫。湾曲なんか怖くないのでガンガン使います。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って遠景は全く不満ないです。距離離れると湾曲も改善されるっぽい。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

これは歪曲少々目立ちましたので、RAW現像時に直してます。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って撮影するとカリカリな印象はないですが、自然に解像してます。最終仕上げてで高周波を少しエンハンスすればパッキリ写る。何よりも色に濁りがなくニュートラルで抜けが良いので現像し易い。これは好い。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放で周辺減光が激しく甘いですが、変な話綺麗に甘いので現像でコントラストつけても破綻しないで、それなりに画になります。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

望海荘は洒落を超えた激坂の上。で、ここが正に激坂の麓。坂の上から車が落ちてきます。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

中近距離で開放で撮ると、背景ボケにカラーフリンジが、やはり目立ちます。ポートレートに柔らかい感じで良さげですが、カラーで撮るときはケアしないと鬱陶しい場合もありましょう。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

この湾曲はレンズの所為ではないかと思う・・・
湾曲も偽造なら、カメラも一台インチキっぽい。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

フィルム時代のイイカゲンな記憶と印象よりも、全然使いやすい好いレンズ。


開放 - α7、JPEG

最後に最短付近のフチ子。完全にファンタジーですね。やっぱりボケのカラーフリンジ目立ちます。



F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠景開放は像はヴェールの向う側。周辺は真っ暗。F1.4で極中心のモヤが若干晴れるけど、全体的には大して変わらない。F2で周辺減光大幅に改善されて解像もグッとあがる。このF2はいいですね。でも、F2.8はもっといい。F2.8は内接円を良像範囲がカバーする。個人的な経験則では並みのレンズはF5.6から、不出来なレンズはF8から、良いレンズはF2.8からってね。これはF2.8から立派です。F5.6で最外周以外はOK。倍率色収差は僅かに目立ちます。



F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケはカラーフリンジ以外は癖少なくて綺麗。周辺減光と湾曲でファンタジー感増し増し。遠景と同様にF2がGOOD。フォーカス部の切れと均一なボケが両立。カラーフリンジだけが惜しい。モノクロポートレートの人は好いかもね。(ポートレートやらんので無責任発言です。)

さて、長い事F1.2のレンズをリリースしてないニコンですが、うわさのミラーレスでは出て来るのでは無いでしょうかね。実用的にはF1.4もF1.2も変わりないと思いますが、昨今は超大口径単焦点レンズが人気です。F1.2が他社には在ってニコンには無い現状。カメラメーカーさんを選択する時に、若い人にとって少なからず影響があるのではと感じてます。40年経って遂に作られる超大口径標準ニッコール。ちょっと気になる存在です。50/1.1かも知れないしねー

あ、標準F1.2無いって書いたけど、これまだ売ってんだったねw