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2021年1月15日金曜日

CANON LENS FD 50mm 1:1.2 L CANON LENS MADE IN JAPAN (26601)


キヤノンの赤ラインレンズNewFD50/1.2Lです。赤ラインはLの証。LはLuxuryのL。Luxuryは贅沢品。そう、Lシリーズは高性能の証ってワケでは無く贅を尽くした証なんですね。

贅沢ってなんでしょう?贅沢で無い物って言うのは、必要にして十分の質を満たしていて余った事が無いのが実用品。実用に耐えないのは劣悪品とか粗悪品です。すると贅沢品は実用品に事足りる以上の手間なりコストなりがプラスされて居るのが贅沢品です。

でも、これって実は結構難しい話なんですよ。必要にして十分な物に余計に何かを足すと、それが害になっちゃう事があります。それを無駄って云います。そうすると贅沢品って奴は必要以上に手間なりコストが掛かって居て、それが僅かでも性能アップになっていたり、もしくは実用品と変わらない性能を維持しているのが贅沢品です。陶器より高価な宝石を削って作った杯が、陶器より酒が不味かったら、それは無駄。言い換えると無害の無駄は贅沢。
富国強兵、進め一億火の玉だ、欲しがりません勝つまでは、ぜいたくは素敵だ!

LレンズのLはLuxuryのLと言われて、なぁ~んて事を思いながら手の中のレンズを眺めてしまいます。


キヤノンの提示する贅沢は控えめです。凄いだろ~的な装飾も無く赤いラインが一本入ってるだけ。贅沢なのは中身って事ですね。素晴しい。ハリボテの外装の装飾的な贅沢より僕はこっちの方が好きです。装飾が立派なだけの贅沢品には余り手が伸びません。

Lのつかない通常品のNewFD50/1.2とパッと見では赤ライン以外は同じに見える位です。


並べてみても赤ライン以外の違いは手にして比べてみないと判らない位です。

研削非球面レンズを一枚使用して開放での描写性能をアップしてあるのが、カタログ的な謳い文句の贅沢な所です。その贅沢を早速試して行きます。

開放 - α7、JPEG

お猿さん、品のある写りです。Lでは無いNewFD50/1.2も優秀なレンズで良い写りですが、それとは傾向が違う様子です。Lの方が背景は柔らかいです。それでいて中心付近の描写もシッカリしてます。これが非球面レンズの為せる部分なのかは判りませんが、確かに中々無い上品な描写に思います。

このレンズは最近入手しましたが、以前から作例等を拝見しながらずっと昔から気になって居たレンズでした。70年代、80年代のキヤノンとニコンで競ってリリースされた非球面採用の大口径標準レンズの中で、僕が作例等から見て一番良く写るレンズに思えて居たレンズでした。

今回、お猿さんをの写りを見て、背景が綺麗にボケて品のあるフォーカス部に昔思った写りの良さを確認出来ました。立派な写りです。

開放 - α7、JPEG

フォーカス部のキレ、全体のコントラスト、非常に優秀に見えます。F1.2大口径でもモヤっぽさがありません。ボケの中をよく見ると非球面レンズの研削痕が見えます。

    
F2 - α7、JPEG

F2に絞ると文句なし。否、F1.2でも文句ないです。お猿さんでもフチ子でも近くを開け気味で撮ると並のレンズとは明らかに違うのがわかります。並以上の贅沢性能です。流石Luxury!!


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

通常運転で絞っての撮影です。撮っていて不満も無くよく写ります。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

不満は無いのですが、Lightroomで現像してPhotoShopで仕上げていると絞りを開けて撮ってるカットと比べて驚きがありません。抜けやコントラストはあるので見栄えは黙って見せればバレない位には立派に写ります。でもチョット全体にキレ不足・・・


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞りを開けて撮影は並の大口径レンズより1段上の写りを見せてくれます。これは素敵。


F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠景テスト、開放は中心はハロ少なくキレもあります。50/1.2としては上等な描写で優秀。Lレンズでは無いNewFD50/1.2のテストと比較してみると面白いです。Lではない標準品も大変優秀なレンズです。2本を比較すると開放での描写は50/1.2Lが勝ってるように見えます。少し絞ってのF1.4も50/1.2Lの方が上。

F2あたりから優劣が怪しくなってきます。標準品の50/1.2が絞るにつれてグングンと画質が上がってくるのに比較して50/1.2Lは中心部は上がっても周辺画質が思いの外上がってきません。

僕が普段の撮影で多用するF8で比較してみると、標準品の50/1.2は全体でキレキレで文句なし。対して50/1.2LはF8でやっと全体が均一になって来たかな?って程度で周辺の線にキレがありません。

なるほど判ってきました。非球面レンズの目的は球面で作ったら、本来はそこでは無いはずの所に無理やりピークを持ってくる様な物だと思えます。そう考えると「彼方立てれば此方が立たぬ」で通常ならば絞ればリニアに上がってくる画質が上がってこないのもわかります。


F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

近景を撮った背景のボケは大変好ましい物だと感じます。リンギングがなく柔らかいです。通常ボケが綺麗で柔らかいレンズはピント部のキレも無いのが普通ですが、このレンズは開放からシッカリとキレがあります。絞っていってもその傾向は変わりません。F2.8、F4も大変素晴しいです。フチ子で見えた研削痕はこの条件だと判りません。


玉紋です。玉紋についてはXenon50/1.4の記事を見て下さい。

年輪状の研削非球面の研削痕がクッキリです。現在のレンズと比較してみたいのですが、生憎私は研削非球面レンズを採用した新しいレンズを持っていません。(よく調べると持ってるのかも知れないけど・・・)
玉紋は今後の研究課題として記録をして行きます。サンプルが貯れば、そこから何か見えて来るかも知れません。

さてキヤノンが提示した贅沢レンズはどう評価しましょう。冒頭に害の無い無駄は贅沢だと云いました。その点では遠景を絞った描写では標準品に負けて居るので害があると言えます。しかし、絞りを開けて近景を撮った描写は標準では得られない描写です。万能では無いけど一芸に特化した高級品と言うのも贅沢品には間違いありません。その点でNewFD50/1.2LのLは間違いなくLuxuryのLですね。

贅沢はス・テ・キ。

2020年11月23日月曜日

CANON LENS FD 50mm 1:1.2 CANON LENS MADE IN JAPAN (52326)

NewFDにはF1.2大口径50mmが、研削非球面レンズ採用のNewFD50/1.2Lと球面レンズのみで構成されたNewFD50/1.2の二種類あります。今回は「L」無しの球面レンズのみの通常品です。

80年代は一眼レフの小型軽量化が競われた時代で、各社1mmの外形寸法を争ってました。70年代はF1.2大口径標準は各社とも55mmや58mmと長焦点気味でしたが、80年代になってF1.2も50mm化された上に、小型化の流れで馬鹿デカクせずにギュッと濃縮した小さいけどズッシリなレンズ。

この後にAFの時代になるとキヤノン以外はF1.4を超えるクラスの大口径レンズをラインナップしなくなってしまうので、一眼用F1.2大口径標準レンズの一期が終わる各社レンズです。今現在になって振り返ると、この時代以降の大口径標準レンズは非球面レンズが使われてる物になってます。球面レンズだけで作られた大口径標準レンズの最終章として各社50/1.2は個人的には貴重なレンズ達として価値を感じます。 



小型化を図りながらガラスが詰まった感じはいい感じです。でも、ライバルメーカーさんの筒と比べると機能的には問題なくても質感・風格はちょっと負けてるかも。でも、これがキヤノン哲学。キヤノンは軽薄そうに見えるかも知れないけど、ユーザーに媚びない芯があるんだよ。媚びずにユーザーに提案・提示して来る。

開放 - α7、JPEG

開放のお猿さん。MD ROKKOR50/1.2、ZUIKO 50/1.2、Ai NIKKOR50/1.2とこれで、この時代の50/1.2は四本目のレポートで、開放のお猿さんはROKKORとNIKKORがスッキリしてるかな?撮影日時が全く違うので判断付きにくい。晴天だとコントラスト下がって見えるっぽい。まぁ、こんなものでしょうね。(笑)

開放 - α7、JPEG

最短付近でフチ子。15cm位の大きいフチ子です。
ピントのエッジは立ちません。

F2 - α7、JPEG

F2に絞るとピントにエッジが出てきて上等です。

F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F8に絞って大変良く写ります。十分に写るでは無く、優秀に良く写ります。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

前回のZUIKO 50/1.2は解像は優秀でしたが、逆光に弱かったです。これはそんな事もありません。ハイライトからシャドーまで40年前のレンズですが現代的にシッカリ写ります。(笑)


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

大口径50/1.2の記事なのに絞った写真しかありません。困りました。開けたヤツはフチ子や後のテストで参考にして・・・


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

一枚開放での撮影がありました。

画面地面右の斜めになったガス管指標にフォーカスしましたが、開放ではお猿さんと同様ピントに芯がありません。後ろのボケをよく見るとコマ収差も激しい。


F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠景では開放とF1.4は軸上色収差も目立ち中心のフレアにマゼンダが乗ってます。フチ子の時にF2でグンと良くなったの同様にF2から画質が大幅に上がります。中心はF2でフレアも取れて切れがあります。F2.8で短辺内接円の範囲は良像範囲になります。F5.6で全画面で粗良像範囲です。優秀です。F8で文句なし。

この時代の主要各社の50/1.2は、どこも頑張って作ってたのが伺えます。


F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

開放、F1.4は殆ど一緒ですね。カラーフリンジもありますが酷く目立つワケじゃないです。F2は大変上等だと思えます。ボケも綺麗です。真面目にF2はお勧め出来る。僕の撮らない系だけど女性ポートレート系にはF2~F2.8は良いとおもうな~ (毎度の無責任発言)

この時代の戦後の日本カメラメーカーさんが切磋琢磨して技術開発した到達点の時代のレンズだと思います。この後からは時代はズームと非球面レンズの世界に邁進して行きます。凡そ30年の標準レンズの開発停滞期に突入。

135判ミラーレス使ってて、高品位なレンズを求めて昔のレンズに興味あったら、一時代の高級標準レンズなので、この時代の50/1.2クラスは良い物です。今時のレンズと狙いのコンセプトが違うので今のレンズの写りの代わりにはなりませんが、逆にこの時代のレンズの様な写りのレンズは今は少ないと感じてます。

2015年3月16日月曜日

SIGMA MACRO 1:2.8 f=50mm MULTI-COATED LENS MADE IN JAPAN Φ52 (1002109)



シグマの50/2.8マクロである。マニュアルフォーカス時代のシグマのレンズはチープな造りでチョットガッカリ的な「安かろう、悪かろう。」な印象が強い。スペック的には個性的な変り種と云えるようなレンズも多くリリースして面白かったけどね。

AF時代の80年代後半位からシグマのレンズは変って来て、「安かろう、悪かろう。」で終わらない、コスパの良いレンズが増えて来た記憶がある。このレンズはFDマウントのMF品だけど、当時発売されてたAF用のMFバージョン。調べてみたら89年発売。僕にとってもシグマレンズの印象を良い意味で変えた記憶に残ってるレンズである。



等倍マクロなんでニョキニョキと伸びる。等倍標準マクロは前玉が奥まったレンズが多い中で、このレンズは奥まってない。構成図を見ると9群10枚な構成で、構成スペックも印象深い。



最近まで所有する機会は無かったのだが、最近譲ってもらって入手した。


開放 - α7、JPEG

開放から良く写ります。80年代のマクロレンズは、どこのレンズも文句無しに良く写ります(全部は使ってないけど)。まぁ、当時50/1.4より50/2.8マクロの方がお値段高いワケでしたから、良く写ってくれないと困るワケです。寄れる高画質標準レンズとして使ってる人も多かったのも納得。僕は暗いの嫌いだったので、あまり使って無い。AFカメラや最近のデジタル一眼しか使った事の無い人には、イマイチ判らないかも知れませんが、MF一眼レフだとF2.8って結構ファインダー暗いんですよ


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

湾曲が非常に少なくて、隅々までシャープで均一。いやぁ~マクロレンズって本当にいいね。もともと、パキパキと絞って撮るのが好きなので僕向きレンズなんじゃないの?ファインダーが明るいEVFのα7ならF2.8でも問題無し。と良い事尽くめに思えるけど、フォーカスの繰り出し量がマクロレンズは使い難い。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

右上にフレアゴースト出た。逆光には強くはないけど、まぁ、こんな所でしょう。このレンズを譲って下さったH様は、このレンズを評して「ただただシャープでカサカサ」と仰る。仰る所は判らなくも無いが、こういうカサカサの写真撮る僕には特に不都合無いです。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

去年も撮った木蓮。

ボケが汚いレンズだとガチャガチャしちゃう撮影だが綺麗である。


開放 - α7、JPEG>PhotoShop (深度合成5枚)

普段から撮らないけど、マクロレンズなのでマクロっぽいのを・・・・

PhotoShopで開放で写した写真を深度合成で遊んでみた。深度が浅いけど深い、デジタルならではのマクロ撮影。



F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22



F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

定点は解放こそ周辺減光もあり像も甘さを残すが、一段絞ってF4で十分。F5.6から文句無い。実際にフィールドで使ってると開放以外は差が無い位の印象。マクロレンズって凄いね。

ボケはF2.8なんで面白くも無いけど素直である。

マクロレンズ用の接写テストも、その内追加したい。

こうやって書くと、完璧で非の打ち所が無いレンズのようになっちゃうが、実際に使用すると、そこそこにチープで笑える点もあって中々お茶目なシグマなのである。最近の立派なシグマも良いけど、シグマさんにはお茶目さを失わないで欲しいなぁ。(爆)

2014年5月28日水曜日

CANON LENS FD 50mm 1:1.8 CANON LENS MADE IN JAPAN (2902617)



金属製の立派な筒から見るからにプラスチックな外観に変わったNewFDレンズの50/1.8。誰も興味無いのは重々承知してる。けど、こういうのを消化して行かないと、後々に、こんなのばっかりに成ってしまうのでお付き合い願います。

とは云っても、実は世代的に、この手の80年前後のレンズは親しみ深いと云うか、思い出深いと云うか、一眼レフか欲しくて欲しくて、でも買えないって頃のショーケースの中の一眼レフに付いてたレンズが、この時代の50/1.4や50/1.8だった。遂に買った一眼レフに付いてたレンズは50/2だったけどね・・・・



こうして今のカメラに付けてみても違和感が全くない。やっぱり80年代は今に繋がる時代の幕開けの時代だったのだな。

30年以上たって少々残念な事が起きてる。この辺りの時代のレンズから「カビ」「くもり」「黄変」「バル切れ」等に新たに「プツプツ」ってトラブルが加わる。所謂くもりとも違う、レンズに炭酸飲料の細かい泡のようにプツプツプツプツが現れるのだ。結果としてプツプツによって曇ったように成ってしまうのだが、濁って曇るのと違う。

このレンズも残念ながら少々プツプツくもりが始まってしまって居て、コンディションはベストではない。これより古いレンズが綺麗なのに対して、Canonに限らず80年代以降のレンズが先に劣化が始まってしまうのが残念だし、少々腹立たしい。恐らく当時使い始めた「夢の新素材」のせいなんだろうなぁ・・・・残念。


開放 - α7、JPEG

お猿の親子は結構クッキリ撮れた。


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞ってもキレキレでは無い、線の太さが残るけど周辺まで均一に及第点。コントラストはイマイチ。

普通って表現が「特に良くは無い」ってネガティブな意味の時代から、「普通に良い」ってポジティブな表現に変わって行く時代が80年代。。。



開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

逆光入ると僅かにフレアっぽいけど、レンズのコンディション悪いから判断不能。これよりは悪くは無かったとすれば十分だな。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

使ってると喜びも無いけど不満も無い。必要にして十分以上。当時なら普及品が良く写るってのは嬉しくて喜ばしいのだけど、、、今になると困らないけど困った物である。唯一の不満は大きさ的な制限の最短60cmでは無く、差別化の為の最短60cmのケチンボ仕様だ。



F1.8 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22



F1.8 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

レンズのコンディションのせいか、コントラストが悪い。恐らく本来はもっと抜けが良いのだと思う。ボケは素直。しっかりとコントロールして造られてる感じがする。

およそ20年の差があるR50/1.8と比較してみると面白い。