2018年10月24日水曜日

KONICA M-HEXANON LENS 1:1.2/50 LIMTED 1160/2001 JAPAN 62Φ



コニカのライカMマウント・レンジファインダーカメラのヘキサーRFリミテッド2001に付属の限定レンズ。2001本限定らしいM-HEXANON 50/1.2 LTDです。コニカのレンズ交換式カメラ用に作られた最後のレンズのかと思いましたが、調べたらで21mm・35mm2焦点切替レンズM-HEXANON DUALが最後のレンズの様子です。単焦点としてはコレがコニカの歴史上レンズ交換式写真機用最後の単焦点レンズとなりそうです。

なんでも持ってるM様が「使う?」と貸してくれました。市場価格高いし限定品で再入手性悪いので借りるのを躊躇したい気持ちになりますが、使って見たい気持ちに従ってお借りして使ってみました。ありがたいです。でも、怖い。



立派な金属被せキャップが付いてます。フィルターと専用フードもあるそうですが、使ったら間違い無く傷つくので借りてません。



どうどうたる筒です。非常にシッカリ出来ていて質感も上等です。


開放 - α7、JPEG

お猿さん撮ったら周辺減光の影響か露出オーバーに・・・
F1.2での描写は、近代のレンズらしく抜けとコントラストは良好だと感じますが、ハロは纏ってます。EVFでフォーカスしてるとF1.2、F1.4は軸上色収差も感じます。F2からグッと良くなる印象を持ったので、お猿さんをF2でも撮りました。


F1.4 - α7、JPEG

F2 - α7、JPEG

露出が正常になってるのは偶々開放時がおかしかったのだと思います。露出の違い以外はF1.4は開放と大して変わらない印象。F2になるとハロっぽさが大幅に改善と共に後ろのボケの輪郭に色が目立たなくなり綺麗になる。これはF2は上等です。


開放 - α7、JPEG


F1.4 - α7、JPEG


F2 - α7、JPEG

最短撮影距離はMマウントレンズですので90cmと長い。これは粗最短付近です。ハロはありますが想像したより像がシッカリしてます。このレンズはフローティングで近接補正してると聞きます。その効果はあるのでしょう。これもF2が気持ちいいです。最短付近だと開放でも意外とボケのカラーフリンジが目立たないのは、この条件が良かったのでしょうか?レンズの描写は単純な話では無いのが伺えます。

貸してくれたのはテストして来いって事なので、大口径レンズの開放付近の写りを普段より念入りにやってます。ここからいつものペースで折角の大口径レンズをシッカリ絞った撮影です。悪しからず・・・・


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F8での撮影はピントも掴みやすく、結果も上々です。何も不満ございません。
大口径レンズは高価な高級レンズとして作られるので、組み付けもシッカリして居るのでしょう、絞った時に高級品らしい写りになるのが嬉しいレンズ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

樽型の湾曲は現像時に補正はしてますが、湾曲は少ないレンズです。大口径レンズは湾曲の大きい物も珍しくありませんが、このレンズは優秀です。お猿さんの写真は補正して無い写りです。


F4 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

フローティング補正に拠るものなのか、このレンズの開放での写りは遠景より近景の方が画質が良く感じます。間違えて開放で遠景を撮った写真や意図的に試してみたりしましたが、遠景を開放で撮ると近景を撮った時より画質低下をより感じます。これは意図的な設計かも知れません。


F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

開放遠景は極中心意外は甘くなり、ハイライトは滲みます。少々判り難いかも知れませんが、パープルフリンジが滲みの中に内包されていて、それが更にモヤモヤさせてます。F1.4ではコントラストと良像範囲が広がりますが、僅かな差です。それよりも開放よりパープルフリンジが滲みが減って返って目立ってきます。パープルフリンジによって開放での遠景は気持ち悪い印象。F2になると画質が多いに向上します。良像範囲こそ内接円に達しませんが全体のコントラストと、なによりもパープルフリンジが消えてヌケが俄然よくなります。このレンズは遠景を撮る時は開けて甘い効果を期待する時でもカラーの時はF2まで絞った方が良いでしょう。F2.8からは段階的に画質向上します。F8で四隅以外が良像です。倍率色収差は良好に補正されていて絞った時の遠景画質は気持ち良いです。


F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

近景での後ろボケは開放から綺麗です。コントラストも良好です。ヘッドライトのクローム部分のエッジにパープルフリンジが表れてます。ピント位置はハンドル右手グリップのウインカースイッチ付近です。フリンジ出てるのは前ボケ部分になります。手前にフリンジが出るのがフローティングの所為なのかは判りません。通常の撮影では開放~F1.4の近景は柔らかくて好い雰囲気でしょう。F2から遠景と同じくグッと良くなります。

借り物を集中的に使って試しましたが、ナカナカ興味深いレンズでした。特に開放付近の写りは遠景より近景を重視した様に感じられたのは面白かったです。これが設計の意図なのか機会に恵まれたら知りたいと願います。

2018年10月8日月曜日

Super-Takumar 1:2/55 6183780 Asahi Opt. Co. Lens made in Japan





一般的にはSMC Takumar がPentax ESからの開放測光及び絞り優先オートに対応レンズシリーズって事になってますが、これはSuper-Takumar銘でES対応になってるレンズ。単なるSMC Takumarの銘板違いのワケではなく、筒はSuper-Takumarの物です。この辺りの事情には詳しくないのですが、輸出バージョンなのかも知れません。それとも国内でも売っていたのでしょうか?

コーティングはSuper-Takumar系と同じに見えます。



昔のレンズは小さいです。ミラーレスデジカメが出てきた時にアダプターで昔のSLR用レンズをつけるとアダプターが長くて変などと云われてましたが、最近のミラーレス用のレンズを見るとニョキニョキ長いのが多いので、アダプターで伸びてもさして違和感が無くなって来ました。

55/2は立派?な廉価版製品なのですが、昔の廉価版は全然廉価版じゃありません。美しい指標のカラフルな墨入れ。マニシング加工の筒は小さくても質感上々。冗談ではなく「立派な廉価版」です。


開放 - α7、JPEG

天気が曇りなので条件いいですが、それでも上等な写り。端正に整ってる。お猿さんもクッキリ。55mmって長めで無理が無いのかも?


開放 - α7、JPEG

フチ子の最短付近も描写は甘いが、酷い破綻はありません。ここでも整った印象。実際フィールドで撮影した画をみても素直に整った印象です。この印象って僕がPentaxのレンズに抱いてる印象と合致します。


開放 -α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放でもホワホワにならないのは個人的には使いやすい。アウトフォーカスのエッジにカラーフリンジは皆無ではないが、酷いパープルフリンジが出る事もなく、現像&仕上げがやり易い好いレンズ。

以下、絞ったの続きます。


F8 -α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

うーん、クッキリ端正で抜けもいい。SMCではないけど好い。


F8 -α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

人の後ろ姿は撮らないようにしてるのだけど撮っちゃった。まぁ、撮っちゃうよね。
これもスパっと抜けも色も好い。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 -α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 -α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



F8 -α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

定点撮影テストを詳細にみるまで判らないが、実使用だと解像もF8での写りになんら不満無いな。この素直な抜けの良さは、口径がF2と無理が無いだけでなく、55mmの焦点距離が寄与してると感じる。当時の50mmと55mmの設計に大きな壁があった様子が55mmを見て感じる。


F8 -α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

夜景で30秒前後の長時間露光にも使用したが、人工光源にコントラストが破綻する事もなくシッカリ撮れた。廉価版にしちゃ出来すぎなんじゃないの当時のPentaxさん。



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

F2の描写はこれまた感心。中心はキレもあって優秀。で、F2.8でビックリ。内接円クッキリ。凄い。F4、F5.6と絞る度に順調に画質向上。F8で極4隅以外が文句なし。こりゃ実使用で全く不満出ないワケですね。



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケも素敵。パープルフリンジが鬱陶しい事とか全くない。F2のボケ画像見て。綺麗なもんです。

Super-Takumar 55/2が素晴らしいなんて話、聞いた記憶無いよ。悪い話は聞かないし、良く写るとかは聞いてるけど、これシッカリ比較すると素晴らしいよ。廉価版扱いだから評価に若干バイアスが掛かっていたと思えるね。コレは良い。

CanonのEF50/1.8IIを安くて写る神レンズなどと近頃は耳にするけど、あれは安くて普通に写るエライレンズだと思う。でも、これは安いのにスゴーク良く写る正に「神レンズ」だよ。

Canon EF50/1.8IIの同条件テストも掲載してるので比べてみて欲しい。F2.8での描写はSuper-Takumar 55/2が明らかに上。いつも言ってるF4やF5.6から写るのは並。上等な玉はF2.8から写る。Super-Takumar 55/2は上等です。