2014年6月3日火曜日
NIKKOR-S.C 1:1.4 f=5cm Nippon Kogaku Japan No.324115
Leicaスクリューマントの5cm/1.4。ツァイスSonnar50/1.5を非常にお手本に造った高速度鏡玉。本家ツァイスにSonnar50/1.5のデッドコピーだと云われたらしいが、現代ではアウトなレベルでソックリらしい。しかし、明るさの実測では僅かにニッコールの方が明るいらしいので、丸々のデッドコピーでは無いのであろう。F1.4の前の5cm/1.5はどの程度のコピーなのかは知らない・・・
デヴィット・ダンカンがニッコールの性能に驚いて買って行ったとかの時代のレンズ。ダンカンさんが写りに驚いたのは85/2で、5cmと13.5cmのニッコールを買って行ったとの事なので、5cm/2かも知れない。それとも1.4なのかな?今度誰かに聞いてみよ。逸話はいろいろ聞きますので、それはその道の方々の文献を参考にしてください。
そうそう、所有したり拝見する機会があったレンズに限った話だが、昔のニッコールの多くが今でもガラスが非常に綺麗な状態を保ってるような気がするのは僕だけ?
これもM様からの借物レンズ。
----- 2014.6.4追記 -----
デッドコピーだと噛みついて来たのは本家ツァイスでは無く、フォクトレンダーだったと教えて頂いた。明るさの実測をしたのはキヤノンとの話だし、当事者より外野の方が騒いで居たのかも知れない。それだけ大口径F1.4って大変な事だったのでしょう。当時のツァイスを当時の日本ごときが追い抜いてはケシカランだったのかもね。
ダンカンが買って行ったレンズは5cm/1.4でも5cm/2でも無く、5cm/1.5であると「ニッコール千夜一夜物語 第三十六夜: ~伝説のレンズ~ Nikkor P・C 8.5cm F2 大下孝一」に記載があると、教えて頂いた。
どちらもありがとうございました。自分で調べるより、判らない事があったら投げかけて置けば、博学の皆さんに教えて頂けそうだ。
----- 追記終わり -----
開放 - α7、JPEG
開放だとピントが凄く判り難い。後ろのボケは疑惑のJena Sonnar50/1.5にソックリな海ブドウ。
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8に絞ると中心は解像して来るが、周辺は解像しない。疑惑のSonnarは絞っても全体にダメだったのと比べると中心は数段良い。ただし、F8でも良像は短辺内接の円もカバーしない。
開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
カラーでの撮影を考慮されてないのだろうか?発色が少々気持い。デジタルでカラーバランスを修正出来るって問題ではなく、滲みや色ズレ、リニアリティの悪いカラーバランスの為なのか修正しても、色情報が失われてしまってる感じに思える。白黒仕上げにした方が気持ちいい。
F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
F11まで絞っても周辺は崩れる。
うーむ、2本しか見てないので断定出来ないけど、ライカ判の標準レンズをゾナータイプで作るのは相当頑張ってる状態のようだ。テッサータイプでは大口径化するのに球面収差に無理があるからゾナーなのだろうけど、結果を見ると無理矢理っぽい。コーティングが良くなってガウスタイプに大口径標準レンズの座を譲ったのも納得。明るさ求めなければ、ある程度絞った同じ状態、F8やF11でテッサータイプに負けてる。
そう言えば中判カメラの標準でゾナーって思いつか無いな・・・・ (あるのかも知れないけど?)
F2 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
近接のボケは疑惑のSonnarと同じく大変綺麗。ゾナータイプの特徴と思っていいのかな?
開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop
開放付近で近接するとホンワカ美味しい写り。像は甘いが逆に全く角が立たない写りが貴重。
このレンズはRFで距離計が連動する3.5ftにクリックストップがあり、更に回すとより近接撮影が出来る。距離計は連動しないけど、繰り出せるからオマケしてくれたようだ。
ピントはカメラで合わせられないけど、使い方はユーザーに委ねる思想。今のニコンとは恐らく真逆の思想だ。今なら測距が出来ない距離は、保証出来ないからピントリングが回らない仕様になるだろう。保証しなくて良いからユーザーに委ねてくれた方が、ユーザーとしては嬉しい。クレーマーも居るから判断難しいのかも知れない。そういう意味でクレーマーの及ぼす損害って人類の文化に影響するレベルか・・・・すげぇよクレーマー。
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16
疑惑のSonnarより画質は良いが、傾向は非常によく似てる。糸巻き歪曲で外周に行くに連れ色収差が目立つ。最小F16まで絞っても周辺までは画質は上がらない。ゾナータイプはもっと長焦点距離に向いてる物で、標準レンズには無理があるのが伺える感じ。50/2タイプも見てみたい。
近景撮影の後ボケは疑惑のSonnarより硬さはあるが綺麗。開放では硬さは少し絞れば取れ、F2はある意味絶品。現代に遠景撮るのに、このレンズを使う理由は見つからないけど、近景の柔らかさを活かした撮影なら、今どきのレンズでは中々無い写りを得られると思う。
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本当に美しい描写です。勉強になりました。
返信削除ありがとうございます。
近景を開けて撮るならありですよね。
返信削除ただ、ゾナー系大口径標準の中ではニッコールは高価なので、安いジュピター3でも良いかもですね・・・(笑)