2020年10月26日月曜日

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-S 50mm 1:1,2 110366 Japan


2本あるOMシステムの大口径標準レンズの1本ZUIKO AUTO-S 50/1.2です。70年代のF1.2は焦点距離55mmですが、82年リリーズのこれは50mmになりました。各社58mmや55mmでしたが凡そ同時代に50/1.2になってます。

50/1.4などと同様に程よく濃縮感があって質感の高いレンズです。OMはボディには少々華奢なイメージを持ってますがレンズの造りは大変いい印象です。


このレンズの特異点はフィルター経がΦ49!筒の中イッパイに前玉です。こんなにギューギューで大丈夫なのかと心配になるくらい。構成図を見ると以前の55/1.2を前後にギュッと縮めた様に見えます。重さも実測で288gと300g切、正に濃縮レンズの様相。

 
開放 - α7、JPEG

 
開放 - α7、JPEG

お猿さんとフチ子を見て判るように開放ではピントは行方不明です。滲みと流れでコントラスト最良と解像最良が違ってます。

F2.8 - α7、JPEG 

F2では甘さが残り、F2.8にすればキリっとして来ました。

F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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さてこのレンズ。正直に白状すると大した写りは期待してなかったです。ZUIKOの一般的な大口径標準レンズの50/1.4は、どこか設計を間違えてしまったのではと思える位にファンタジーな写りのレンズです。なのでフィルター径をΦ49に無理やり収めたムリクリレンズだと想像してました。


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F - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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F5.6前後の常用絞り域での写りは大変素晴らしいです。ZUIKOファンに怒られてしまいそうですが、「おいおい、どうしちゃったのオリンパス」って感じ。私経験上一般的なOM-ZUIKOレンズに特にシャープな印象は持ってなかったのですよ・・・

Wikiには「ズイコーレンズの特徴としては、一般的には比較的安価な価格設定でシャープな画質という点が挙げられる。」って書いてあるけど・・・(誰が書いたか謎な所がWiki)

そんな私の先入観を吹き飛ばす上品で端正な素晴らしい写り。小さくした弊害を感じさせないです。これは素晴らしい。やっぱり高級品なんだなF1.2は。


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞り開けての写りは昔の大口径レンズの味わいです。最近の中国製大口径もこんな感じかな?結像が甘いだけでなく、アウトフォーカス部に色が乗るので開放でデジタルのカラーで使う時はケアしないと気持ち悪くなりがち。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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泣き所もあります。小型化の弊害とは関係無いと思うのですが、逆光に弱いです。逆光というよりハイライトでフレアっぽくなります。斜めから光の入射があるとゴースト出ます。手や物でハレ切りしようとしても、本当にギリギリの入射でゴースト出ます。使うカメラとの相性とか条件で変わると思いますが、センサーの反射というりは筒内面反射の影響に思えます。写りが素晴らしいだけにチョット残念。

F1.2 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

開放がピント行方不明なのは遠景も同じです。本当に行方不明です。このレンズはF1.4の指標がなく開放の次はF2です。F2では随分解像も改善されます。F2.8で実用的。F5.6からは文句ないです。手前のビルのタイルの質感も良く現れてる見事な写りです。倍率色収差も良く補正されていて目立ちません。

Φ49mmと小さいので周辺減光が犠牲になってる事も無い様です。Nikkorの50/1.2やROKKOR 50/1.2と比較しても周辺減光が大きい事もありません。

50/1.2の写りを見ると、なんでZUIKO 50/1.4が、あの写りなんだろうと思えてしまいます。やっぱり何かを間違えてしまったのかも知れない・・・・(笑)

F1.2 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケは前後共大変柔らかい。白黒で開放気味の写真は柔らかく甘い描写を求める人には良いかも。(無責任)手前にパープルフリンジ乗るので場面によってはケア必要。近景もF5.6から素晴らしい。

総じて想像より優秀な玉でした。見くびってゴメンナサイ。もう一本の大口径ZUIKO55/1.2もフィルム時代に使った曖昧な遠い記憶・印象なので改めて使ってみて50/1.2との差を見るのが楽しみに成りましたよ。

2020年9月21日月曜日

MC ZENITAR-M2s 2/50 ZENIT M46×0,75 (00011507)


格好悪い筒のレンズの王様、MC ZENITAR-M2s 50/2 です。一体どう考えてこんなルックスにしたのか?恐らくはイメージスケッチの段階ではもっとスマートなんだどうけど、製造技術、コスト、などで実現可能な形にして行くうちに最終的に出来上がるとコレになっちゃったのでしょうなぁ。カメラやレンズに限らず、製造技術以上の最先端を狙うと着包みの様なスキンデザインになっちゃうのは古今東西あちこちで散見出来ます。

これの場合はコスト削減のシワ寄せは見た目よりも操作フィーリングに影響大で、フォーカスに滑らかさが全くなくて、微妙なフォーカス合わせが酷くやり難いのが辛い。ルックスはここまでチープで格好悪いと逆にブサ可愛くなって来る。

構造か簡略化されて居るのが幸いして、ロシアレンズに多い個体差が少ない様子に見えます。数本見ましたが大差無いです。ウォッカ飲みながらでも組める。


α7にアダプターで付けると人に見せられません。まるでチ○ポ・・・


Φ46なのでRF用の穴開きフードをネジネジしたら、もっとヤバいです。これじゃ包○チ○ポ・・・

 
開放 - α7、JPEG

 
開放 - α7、JPEG

最短撮影距離は35cmなのは嬉しい。フチ子との距離がグッと近づきますw


F4 - α7、JPEG

おまけのF4

F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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造りも見た目も感触もアレなレンズですが、実は大変シッカリ写ります。F4位までは甘さありますが、F8は文句ないです。フォーカシングがギクシャクするので撮りにくいのが残念。


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見て!ヌケも良くてスッキリシャープ!


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逆光も見て!


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見て!黙っていたら、これで撮ったと思わんでしょ。
MC ZENITAR-M2sでのF8ステキ!


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最近はあり余るロシアレンズの絞りの改造品がオークションで大量に売られてます。これもbokeh LENSとか言って、改造されて売ってます。折角安くてもちゃんと写るレンズなので余り無駄に壊さないで欲しい気持ち。



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

F8最高~と褒めて来ましたが、開放からF4までは、過度な期待はしてはイケません。遠景をシッカリ撮りたいならF5.6から。F4までは像も周辺は甘く周辺光量落ちも大きい。中心部は開放からシャープネスあります。素性の良さを感じます。絞って行くにつれてリニアに良像範囲が広がっていきます。



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

口径食は大きいので開放付近のボケは蹴られて回ります。ボケの質も柔らかいタイプでは無いです。周辺減光とグルグルの合わせ技のトンネル効果は出るので場面によっては面白く使えるでしょう。特記すべきは軸上、倍率ともに色ズレが良好に補正されています。近くを開け気味で撮っても気持ち悪い色が乗りにくいです。遠景での写りを見ても倍率色収差も良好です。撮影したデーターを現像しても気持ち悪さを感じない、スーパー高性能なレンズではありませんが、これは良いレンズです。(写りの話ねw)

2019年2月26日火曜日

SIGMA 50mm 1:1.4 DG HSM EX (11845189)



今や純正メーカーもレンズメーカーからも次々に発売される50/1.4や50/1.2クラスですが、ずーーーっと長い事純正レンズも光学設計は更新されずに、レンズメーカーからも発売されることは無く。置き去りにされ続けて居た標準レンズに一石を投じて、今の標準レンズ流行りのキッカケになったレンズがシグマの50/1.4 DG HSM EXです。初期のタイプは時間経つと劣化して外装ボロボロになるシグマ自慢のZEN仕上げでしたが、後にリニューアルしてZEN仕上げをヤメてツルツル仕上げになります。これはそのツルツルの後期型です。

このレンズは発売すると特にキヤノンユーザーに好評で大いに売れた様です。丁度デジタル一眼レフが大きく普及し、若いキヤノンユーザーの女性ポートレート流行りに嵌った様子。EOSで手軽に買える大口径レンズだったEF50/1.4が、正直言って最新デジで撮影して幸せを感じられない描写だったので飛びついたのかな。この時代あたりからシグマはブランドイメージをグングン高めて行ったと感じてます。



このレンズはデカイです。フィルター径はΦ77。まじヤメて欲しいw
さらに重いです。これはソニーAマウント用ですが実測509gあります。まじヤメて欲しいw
リリースされた当時に「デケーなぁ~、ヤメて欲しいよ」と思ってましたが、その後ブームとなって各社から発売される標準レンズは、もっと巨大になって今に至ってます・・・・

こんど発売されるNikon ZマウントのF0.95とか、Canon R用のF2ズームとか、大きくて明るくて高画質なレンズに財布の紐が緩むのをメーカーさんがあてにして作られるのでしょうか?今は空前絶後の高級レンズブーム時代。まぁ、その内皆さん正気に戻って手頃な大きさの手頃なレンズが流行って来るのでは?怖いのは正気に戻った頃には交換レンズ式カメラがオワコンになってしまってる状態だな・・・・



α7にアダプター挟んで装着してるから余計にデカク見えるのかと思って、α33につけて見た。純正フード装着した様は、やっぱデケーよw。85/1.4にしか見えない。



なんて思っていたら1982年の雑誌「写真工業」に、こんなシグマの広告を見つけてしまった。お客様の懐や利便性を考慮して「フィルターサイズにまで心を配りました。」と自画自賛してる広告・・・

正直に言うと、このレンズにはあまり興味・関心がなかった。今の技術で大きさに余裕もって50/1.4を作れば、よく写るのは当然に思えて、「まぁ当然、当たり前に素晴らしく良く写るのだろうなぁ」と思っていたワケ。気持ちが冷めっちゃってる感じで興味がわかない状態だったのですが、使って見たら、すごーく興味深く面白かった。レンズ設計は簡単な話じゃないのを再確認。


開放 - α7、JPEG

お猿さん、開放から見事な描写。コントラストも解像も素晴らしい。流石21世紀レンズ。古典的なレンズとは一線を画します。ボケも滑か。

これ撮って背面液晶で確認した後は「凄いね~今のレンズは、やっぱコレくらい写っちゃうのね。」と関心して、何も気にせずに写真撮影してました。


開放 - α7、JPEG

最短付近での描写もシッカリ&クッキリ、見事な物です。開放最短域でも像が崩れてません。後ボケに細いカラーフリンジがありますが、リンギングが無く綺麗なボケです。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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隅までビシーっと素晴らしく良く写ります。発色もコントラストも素晴らしい。昔の一眼レフの標準レンズとは違います。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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遠景はバッチリシャープ。その点では僕との相性もいいレンズ。RAW現像してても楽しい。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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僕を含めたオッサン世代には少なからずシグマレンズへのネガティブなイメージを持ってる人も居ると思うのだが、そんなネガティブなイメージは不要。逆光耐性も立派な性能でフレアやゴーストが気になる場面は無かった。重いのさえ気にしなければ、全くもって素晴らしい。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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開放で近めを撮ってもフォーカス部はシャープに切れる。古典的なレンズは、この手の距離感を開放で撮影すると、深度から外れたピンぼけの他に収差で像が流れたり溶けたりしてエフェクト的になるのだが、このレンズはシッカリ描写してる故にピンぼけ以外のエフェクトはあまりない。50/1.4の開放にしては背景を硬く感じる。ちゃんとしてる結果なのでレンズに罪はないけど、開放での描写は面白みはあまりない。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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基本的には僕の写って欲しい通りに写る素晴らしいレンズ。少し位描写が甘いレンズでも本人以外にはプリント時にはバレ無いので問題は無いけど、撮影して現像してる時にチャント解像して写ってるレンズと、甘いレンズでは気持ち良さと満足感が違う。これは大いに満足なレンズです。

手放しに褒めて来たけど、実は撮影時に少々違和感も感じてます。EVFでフォーカシングしてると「んぅ~ん?あぁ~そうなのかぁ」ってね。では、テストに。


F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

流石21世紀レンズ、開放でも像は崩れません。解像は甘くは成りますがシッカリした物です。中心部はキレもあります。絞っていくと素直に画質が向上して行きます。F4で実用的には全く問題ないと思えます。F8なら隅まで文句なし。倍率色収差は想像してたよりあります。解像が高い故か、色ズレもクッキリ見えるのか左のROUTE INNホテルの窓と白い壁部分の境に煩さを若干感じる。もっともRAW現像の時に、こうしたタイプの倍率色収差は取りやすいので、あまり問題ではない。像が流れるレンズに倍率色収差が乗ってると滲んで現像時にケアし難いですが、それとは違います。

-- 2020.9.28 --
さっき気づいた。このレンズは焦点距離すこし短い。
45mmまでは短く無いけど、47mm位かな。


F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

さて、今まで褒め続けて来ましたが、ここで先程触れたEVFでフォーカシングしてる時に気づいた違和感が現れます。背景のボケは柔らかく綺麗です。が、前ボケ部が汚い・・・・硬いのもそうですが、それよりも汚い。

経験無い位のパープルフリンジが前ボケ部に乗っかってます。カラーバランスが崩れて見えるくらいに紫乗ってます。これが撮影してピント合わせてる時に気づいた違和感。フォーカスを前に外すと色が乗っかって来るのがEVFでも判りました。

このレンズの構成図を見ると、一番後ろにソコソコパワーのある非球面レンズを入れて、ダブルガウス型のパワーバランスを崩してある構成です。これが性能にどう影響してるのかは分かりませんが、少なくともガウス型の美点の対称性の高いバランスの良さを崩してしまってるのは、あると思います。

要するにピーキーな性能なのです。写真用レンズは無限遠から近接まで使用します。レンズの描写性能はアッチ立てればコッチ立たず的な物なので、それの落とし所を決めなければ成らないハズです。その逆に半導体露光用のレンズなどはピーク性能だけを狙ったレンズです。写真用レンズの難しさはソコにあると思います。このレンズのピーキーな性質は意図された物なのかは不明ですが、今のシミュレーションによる設計ならば、当然結果は判っている上での設計なのだと想像します。だとすればソコに思想が見えて来て面白く興味深いです。今ほどシミュレーションが出来ない時代は、設計者が経験でバランスを取って、無限遠と近景での性能の落とし所を探っていたワケです。予想や狙い通りに成らなかった事も多いと思います。逆に言えば今のレンズは思想を反映しやすいハズなので、シグマさんがこのレンズをピーキーにした事に興味があります。

シグマの標準レンズは、この後により大きく複雑な構成になっていきますが、思想の変化はあるのでしょうか?それともピーキーな思想は続いているのか?どんなバランスがシグマの答えになってるのか、俄然興味がわいて来ました。

それと昔の設計者さんは手探りの中でセンス良い仕事をしてたのだな、とも感じます。