2013年12月8日日曜日

NIKKOR-S Auto 1:1.4 f=5.8cm Nippon Kogaku Japan No.148832



つい最近ニコンから新製品としてAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gが発売された。税抜き19万円だそうだ。。。なんでも現代のノクトニッコールを目指したとかなんて話も在ったり無かったり。中身はバリバリの最新設計だけど、スペックは最近流行のレトロスペックレンズの仲間だ。今ならニコン58/1.4でググる人も多いだろうから、流れに乗ってニコン58/1.4を紹介しよう。凡そ50年も前の5.8cmのF1.4。今ならこのルアーは釣れそうだ。



運悪く釣れてしまった人に朗報を、58/1.4Gと同じくつい最近発売されたフルサイズデジSLRのNikon DfはAi以前の多くのニッコールに対応してるので、これも使えます。58/1.4Gは最新設計と製造技術で普通でない描写性能を見せてくれるのでしょうが、どっこい5.8cm/1.4も普通じゃ無いって事では負けてない写り。色んな文献で教えてくれる球面収差の過剰補正レンズの写りってのを、スッゴク判りやすく提示してくれる有難いレンズだよ。今時のレンズを100本揃えても絶対出会えない写り。。。


開放 - α7、JPEG (2016.7.17追記)

強烈な過剰補正玉の様子が背景ボケに現れてる。ヴェール被ってホンワリ。お猿さんの条件だとスーパーカブの近接ボケテストよりカラーフリンジは少ない。(2016.7.17追記)


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、JPEG

極端に逆光に弱いワケではないが、左下にゴーストでてた。使用するカメラとの相性もあります。
EVFなので写す時に気付くはずなんですが・・・
カッコいいゴーストなら残すけど、色被りで気持ち悪いので現像でケア。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

現像仕上げで対処。古いレンズをデジで使うのは時には手間が掛かります。


F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

中心以外はグズグズ


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

凡そ半世紀も前のレンズでも、シッカリ絞って写すとカッツリっと写る。モノコートでも逆光が入っても立派、あらためてニッコール恐れ入った。開放近接で波ガラスでボケたような独特の写りになる。インク染みたようなハイライトの後ボケがチョット絵画的。あまり好まれないだろうけど、これはこれで悪くないし、濁った感じが無く透明感あるので好き。なんて油断してると強烈な後ボケになるけど・・・ 後ボケで代償は十分に払ったから、逆に前ボケは綺麗なのである。いやぁ~文献通りだよ。うんうん。



F1,4 - F2,0 - F2,8 - F4 - F5,6 - F8 - F11 - F16

開放無限は、まるでアートフィルター掛けたの様に中心以外がボケボケ。フィルム時代は開放で無限なんて撮った事なかったから新鮮だ。ボケボケは予想して居たけど、ど真ん中の中心は思ってたよりスッキリクッキリしてるし、全体的にも予想よりフレアっぽい感じはない。フレアで滲んでボケボケではなく、像が崩れてボケボケ。ボケボケだけど透明感がある。

口径食は結構あるレンズなんだけど、α7での撮影では以前のテスト3本より周辺の光量落ちが少なく見える。不思議だ。Fマウントはフランジバックが長いのと、焦点距離が58mmと長めなのがデジ向きなのかもと思えたりもするけど、ホントの理由は謎だ。

一段絞ってもマダマダ、2.8でずっと良くなって来るけど、短辺の直径の円の外は崩れる。シッカリ撮りたければ5.6には絞りたい。8まで絞ればズルズルだったのが嘘みたいにカッチリ。16なら最外周の四隅まで崩れない。



F1,4 - F2,0 - F2,8 - F4 - F5,6 - F8 - F11 - F16


開放 - α7、JPEG

開放での後ボケは口径食と強いオーバーコレクションの癖で強烈。なんだけど、ボケを撮る為の写真を普段から撮るワケではないので、中々上手く伝わる画が無い。今回は後ボケの癖が判り易い自転車置き場での開放での写真をテストに加えた。なかなか凄まじいのが判っていただけるハズ。(次からは全部自転車置き場かも。。。)


開放 - α7、JPEG

現代とは明らかに設計のコンセプトが異なる。当時の技術と考え方の中での最善の答えの一つだったのだろう。写真を始めた子供の頃に大人の人達に「絞れ、絞れ」と言われた。意味も判らずに絞って撮ってたけど、こういう事だったのだよ。確かにコレの開放で集合記念写真なんぞ撮ってしまった日には、言い訳考えるのが大変そうな写りではある。

絞れって言われると今の感覚では2.8か4位で良いなって感じだけど、5.8cm/1.4は更にもう少し絞りたい。昔、ニッコールのCMで石川さゆりが歌ってたCMソングを思い出した。

ニッコールはお好きでしょ?
もう少し、絞りましょ。
ありふれた写りでしょ?
それでいいの今は。

って歌詞だったが、至極納得な歌だ。

----- 2014/11/30追記 -----



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケ野外テスト画像を追加。

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