2016年5月24日火曜日

C.C Auto Petri 1:1.4 f=55mm No.104142 PETRI CAMERA CO., INC.



ペトリペンタシリーズ用の55/1.4。ラインナップの中の一番の大口径レンズ。55/1.4は「C.C Auto」と「EE Auto C.C」あるが、55/1.8、55/1.7、55/2、等と比較して圧倒的に少ない。少ないけどソコソコにあるし、あればバカに高価な物では無いので(昔の記憶で今の市場価格は謎)、持っていると「1.4だよ。いいでしょ?」って程度に自慢出来る。自慢する相手を選べば「チクショーいいな」と悔しがって貰える素敵なアイテムだ。 - (自慢する相手の選定を間違えると、残念な空気が漂うので注意は必要。)



レンズは中々のルックス。ペトリの一眼レフは、機構がひ弱印象があるが、レンズの造りにはそれはない。そつなく立派に出来ている。回転バヨネット式より少数派のブリーチロック式。数々のカメラボディも先行メーカーの模造ではなく、常にユニークであろうとした姿勢は素敵。

重さ296g、最短撮影距離は60cm、昔のレンズは寄れないのが多い。


開放 - α7、JPEG

お猿撮ったら「あらビックリ!」予想の10万倍良い。

フィルム時代の印象では、ペトリの55mmはF1.8やF1.7の中口径は結構抜けが良くて侮れないイメージを持っていたが。55/1.4はかなりフンワリとファンタジーな印象を、ずーっと持っていた。でも、この写りは甘い事は甘いが悪く無い。

55/1.4が何年の発売なのか知らないが、60年代なのは間違いない。60年代の標準F1.4で、この写りは真面目に立派。後ボケのハイライトにグリーンのカラーフリンジが目立つ以外は及第点ではなかろうか。

フィルムカメラのペトリは微妙な調子のFTしか所有しておらず、ペトリペンタシリーズのレンズは、あまり使ってなかった。僕が持ってた55/1.4のフワフワの印象は幻想だったようだ。もしかするとファンタジーな世界の印象はFTのファインダー像かも・・・


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞ったらビックリ。実に立派な写りだ。α7のEVF像でもシッカリピントが来るのが判る。これほどの写りは正直全く想像してなかった。



F5.6半 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

あまりに怖いので、ここで出すまえにツイッターで出しちゃったけど。公園を歩いてると落とし穴のような滑り台。死人が出てないのか気になる・・・


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

エッジのコントラストが立ってバリっと写るタイプではないが、柔らかいけど解像してるタイプ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

更にビックリなのは、樽形歪が非常に少ない。思ったより少ないって意味でなく、実際に本当に僅かしか湾曲してない。あ~ペトリさん、ゴメンナサイ。参りました。


F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

樽湾曲、僅かに補正したけど本当に少ない。

太いのがガラスの中で「シェ~~~」してますね・・・


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って撮るのが楽しくて絞っちゃうので、適当に開けたのを、やっつけで撮った。開放で撮る心が無いんだな・・・

写真はイマイチだが、ポジティブには程よくトロ甘い。イヤハヤ参った。冷静にみるとピントはどこかに行っちゃってる。けど、行っちゃってる量が微妙に絶妙かも。


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

快晴の日に撮ったが、強烈なフレアーやゴーストも出なかった。ふわっとフレアーが出る時はあるが、古い大口径レンズとしたら逆光耐性も立派。弱いレンズは逆光以前に白い部分でフレアーによる滲みが出てしまう。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

お猿さんと違って開放で遠景は全体に溶けてる。開放の写りをよく見ると、中心だけが最良ってワケでも無い感じ。湾曲少ないのも珍しいし、結構の量の補正が掛かってるのかも知れない。球面収差図を見てみたいなぁ。

絞っていけば合わせて良像範囲は広がっていくが、F5.6まではマダマダな感じ。F8からグッと全体的によくなる。F11まで絞っても最外周は甘さ残る。

こうしてテストすると、実際にビックリした程の性能は無い様子だが、開けて程よく甘くて、絞ってシッカリ写って、湾曲少なく、フレアーゴーストも酷くない。総合バランス良好玉だ。下のボケテストの様子からも開け気味は、アンダーコレクションなのではなかろうか。




F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

グリーンのカラーフリンジが少々目立つ以外は大変柔らかく綺麗なボケ。F2からF2.8なんて絶妙。ファビラス!!!

あまり使ってなかったとはいえ、持ってた印象とは結構異なった印象をもった。テスト結果をみると、持ってた印象通りのドロドロのホワホワなところもあるが、F8,F11まで絞った写りは予想してなかった。開けて甘い玉で、湾曲がこれほど少ない玉も記憶にない。

人(自分のか・・・)の記憶ってあてにならない。

今の時代、これは持ってる価値ある一本だ。嬉。

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