2015年4月29日水曜日

MAMIYA-SEKOR 1:1.7 f=58mm No.1063947



マミヤ最初の一眼レフ、プリズマットNP用の標準レンズ。完全自動絞りでは無く、半自動絞り。エキサクタマウントに独自の絞込み機構を足したマウントとなってる。



エキサクタ > NEXアダプターで装着しようとしたら、ロックレバーに引っかからずロック出来なかった。エキサクタ > FDアダプター挟んで装着。エキサクタ > NEXアダプターの出来が悪いのかと思ったら、ウィキペディアにレンズのロックピンが太くてエキサクタには着かないとの記述が・・・ エキサクタ > FDアダプターでT70とかで使ってたけど、不都合無く使えてたのはラッキーだったらしい。


開放 - α7、JPEG

開放だと極中心以外はモヤモヤでピント合わせ難い。でもまぁ、普通にこんな物でしょ。プリズマットもカメラの話は聞いても、レンズの描写語られてるのは読んだ記憶が無い。


@@@@@@@@@F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞ると意外な位に良く写る。樽形の湾曲は結構目立つ。(写真は修整済み)


F2 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放だと、どこもモヤモヤだけど、ちょい絞ってF2だと像の甘いのは大して変らないが、僅かにコントラストが上がって良い感じ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞れば湾曲以外は文句無い。ここまでチャンと写るとは想像して無かった。



F1.7 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22



F1.7 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

遠景定点テストは開放付近はモヤンモヤンである。絞って行くにしたがって良像範囲が広がっていき、F4やF5.6である意味十分、F8やF11ではビックリ写る。このところ倍率色収差補正が十分で無いレンズが続いたので、古いのに、しっかり補正されてるのを見て感心。

ボケも過剰補正レンズらしいクセはあるけど、強烈では無い。ほぼ円形絞りの9枚絞りなので多角形ボケにはなりません。

拍子抜けな位まともに写ったが、マウント口径の小さいエキサクタマウントで、無理の無いF1.7。焦点距離も58mmと無理しないのが良かったのだろうか?良く補正された倍率色収差と絞ればキチンと画質が向上していく様に、手抜きの無い真面目なお仕事ぶりを感じます。

2015年4月19日日曜日

KODAK EKTAR f:1.9 50mm MADE IN U.S.A BY EASTMAN KODAK CO. ROCHESTER N.Y. (EY1503)



コダック・エクトラ用のエクター50/1.9。もちろん借物です。

カッコイイです。ゴツイです。カメラ用レンズと云うより、エンジンのパーツの様です。エクトラが凡そ2500台とか云われてますから、レンズの生産本数も知れてます。なので立派な稀少品に分類されます。

エクトラのエクター50/1.9なぞ、まず縁の無い玉の一つだと思って居たのだけど、貸して下さるとのお申し出。でも、希少品借りるのは怖い。。。びびる。

使いたいけど、借りたくない。
弄りたいけど、触れたくない。
撮りたいけど、持ち歩きたくない。

「据え膳食わぬはオタクの恥」って事で、せっかくのご好意なので、試させて頂いた。



通常は最短撮影距離3.5ftですが、フォーカスリングの出ベソを引っ張りながらフォーカスリングを廻すと1.5ftまで寄れます。



このガッチリ感は半端無い。本気になったアメリカさんは凄い。


開放 - α7、JPEG

お猿さん、開放ではモヤモヤしてピント合わせ難い。ハイライトの滲みは盛大。

お猿さんを撮ったので、後は交通事故や人とぶつからない安全な近所の遊歩道に移動して撮影・・・ くわばらくわばら。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F8やF11まで絞っても、長辺サイドはそれなりに流れる。湾曲は優秀。湾曲少なく、良像は内接円をカバーするので、十分端整に写る。


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

遊歩道内限定で無理やり撮るものを探す・・・
F2.8程度の絞りでは個性はマダマダ消えません。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

近景でもF8まで絞れば普通に写る。反射の逆光もあるのに、これだけ普通に写っちゃうのがスゴイな。このレンズ70年位前のレンズのはず。。。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

借りる時の命題が「ぐるぐるボケが出るから撮って来なさい。」だったので、グルグルしそうな物を探して撮った。出ベソを引っ張って近接撮影領域約40cmでの撮影。こんなので許して貰えるかな・・・

背景は渦巻きで、花びらは滲んでる。様々な収差が合わさっての写りだが、アウトフォーカスのエッジのカラーフリンジが少ないので綺麗だ。。。



F1.9 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22



F1.9 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

遠景、定点テストをみると、流石に近代のレンズと比較すれば見劣りする。周辺へ行くにしたがって像は流れ崩れるし、ハイライトは滲む、コマ収差も目立つ。F8、F11で内接する円内は良像になるが、外周はまだ甘い。それでも時代を考えると優秀なのではないか?口径が違うけど、戦後のゾナータイプの50/1.4クラスと比べても勝ってるように見える。ゾナータイプのF2クラスは未経験なので、その内試して比較してみたい。ジュピター8を入手するか・・・(実はなんと持ってない)

ボケは開放~F2.8は盛大にグルグルだ。近代のガウスタイプはF2.8だと大抵はソコソコの画質になるがエクター50/1.9はもっと絞らないと整ってこない。絞っていってもボケは固い。

今回縁あって、凡そ縁の無い玉と思っていたエクター50/1.9を試させて頂いた、エクター50/1.9は、癖玉との話を聞いていた。確かに滲みやグルグルは癖玉と云えるのだろう。でも、それ以上に70年も前のガウス型が、想像以上に端整に写ったのが印象的。

アメリカさんは普段は6~7割り位の力で物事を済ましていて、稀に本気になる。本気になった時のアメリカさんは、大抵凄い物を作る。御見逸れ致しましたぁ~

2015年4月13日月曜日

Nikon AF-S NIKKOR 50mm 1:1.4G (318367)



2015年現在、ニコンの現役50/1.4標準レンズ。AF-S 58/1.4Gもあるけど、あれは特別高級品で常識的な標準レンズはこっちでしょう。それでもメーカー希望小売価格・税抜きで6万円だから立派な高級品。今の標準50/1.4って各社高価なのです。生まれるのが遅かったら標準レンズを集めるなんて絶対無理だったな・・・

90年代は50/1.4や50/1.8は、メーカーさんに殆ど無視されて居て、新製品なんてバージョン違い位だったのが、何故か21世紀になったら標準レンズが結構作られるようになって来た。小売店でも交換レンズの中で標準レンズは売れ線だと聞く。

このレンズの発売は2008年12月とWikiにある。New NIKKOR 50/1.4からの基本設計を一新して全く新しい構成になって来たので、気になってたレンズ。今回お借り出来たので試してみた。




デカイ。。。デカイです。

さて、21世紀のニコンの標準50/1.4はどんな写りをするのか?期待と不安が交錯する。いざ撮影!借物なんで近所でね。


開放 - α7、JPEG

先ずは何時ものお猿さん。50/1.4開放らしく柔らかい。コントラストもピントもそこそこ。50/1.4としては悪くは無い。21世紀の標準レンズなので、もうチョイ抜け良いかなと予想してたのだけど案外平均的。

悪くは無い普通だと思うが、この写りには少々驚いた。写りが悪いと感じたのでは無く、写りが古臭いのである。後ろボケが60・70年代だ。最近のレンズはあまり持ってないのだけど、作例みたり人の写真を拝見すると、単焦点レンズだけに及ばずズームですらボケが綺麗な印象を持ってる。恐らく市場の要求が綺麗なボケを求めるのに、メーカーも対応してボケも意識して設計してるのだと思う。で、これ見るとボケは恐らくケアしてない。

僕は自分の撮影にはボケはあまり気にしないので、写真撮る上では全く問題無い。それでもまさかの古典的な描写に驚いた。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

湾曲も結構あるのけど、そこはデジなんで補正。

気にしなければ問題無いが細かい事書くと、近景撮った時の後ろのアウトフォーカス部分が若干汚い。カラーフリンジが乗る。2線ボケの傾向もあり。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って遠景撮れば全体に均一で上等。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

近景だって平面的なら上等。

21世紀のレンズで7群8枚の新設計レンズが、昔のレンズみたいな描写なのは興味深い。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠景は開放は全体にフレア多くて甘い。絞って行くに従ってどんどん良くなる。F8で均一。ただし、最新レンズだと思うと、倍率色収差が若干目立つ気もする。カラーフリンジの件を考えると、倍率も軸上も、色収差に関してはイマイチかも・・・・

ボケをみると、近接での大きくボケた後ボケは近景時と違って開放から綺麗。考慮してないと思ったけど、近接の大きなボケを考慮したのかな?

さて、6万円の50/1.4の標準レンズ。最新設計だからと過剰に期待しちゃイケない感じかな?純正ボディで使えば超音波モーターで快適なAFレンズなのでしょう。

パナのLEICA D SUMMILUX 25/1.4の時も感じたけど、デジタル時代のレンズは純正ボディで使わないと真価は発揮しないのだろうね。昔のレンズは受光するのはフィルムでどのメーカーのレンズも条件に差はないけど、今は自社のボディでの撮影を考慮して作ってるだろうから、オールドレンズをアダプターで使用するのと、最近のレンズをアダプターで使用するのは全く意味が違って来るのだろう。

2015年4月8日水曜日

AUTO MIRANDA EC 1:1.4 f=50mm 49Φ LENS MADE IN JAPAN 2547204



ミランダのレンズが熱く語られる事はあまり無い。初期のアルコやズノーは珍重される事はあっても、「あの玉が素晴らしい」とか「これは名玉」なんて話は聞いた事が無い。オリジナリティ溢れる数々の重厚なボディの興味深さからすれば、レンズの影は薄いのだろう。僕も数本所有するミランダの標準レンズを、フィルムで使っていた印象は特に素晴らしいって印象は無く、どちらかと云えば「 ・・・・ 」な印象を持っている。

AUTO MIRANDA EC50/1.4はミランダ本家の最後の機種となったdx-3の標準レンズ。市場の小型軽量の流れに沿って、dx-3はそれ以前の重厚な造りから、随分と軽薄な造りになってしまって居たが、セットの50/1.4は特にチープなところも無く、シッカリ造られてる。



ぴょこっと飛び出す組込みフード、1975年で組込みフードの50/1.4は珍しい。



絞り駆動レバーのストローク長が以前のレンズと異なって居て、センソレックス等で使うと自動絞りで絞りきられない等、古いミランダボディとは互換性に難がある。互換性を犠牲にして開発した今後を見据えたニューミランダマウントと言えそうなレンズだけど、dx-3で終わっちゃいましたね。

ミランダについては俄かで語っても墓穴掘るだけなので、興味のある方は「MIRANDA SOCIETY JAPAN, ミランダ研究会」へどうぞ。


開放 - α7、JPEG

先ずは近所のお猿さん。開放では御覧の通りあまり嬉しい素敵な写りではありません・・・ 全体に微妙にダメっぽくて褒める所が見つからない。。。

春になって桜の季節に、素敵な女の子の名前を持ったレンズで桜を撮るって趣向なのだけど、大丈夫かな?まぁ、なんとか成るでしょ。



お猿さんを撮ってから、ナカナカ撮影に行けずに都心の桜はスッカリ御仕舞な頃。散ってない桜と雨から逃げて西東京方面。曇天だったけど丁度満開。春~夏はカントリーの季節、かっ歩するBGMはMiranda Lambertちゃんと決めてた。ミランダちゃんを聴きながら、ミランダで撮る。曇天だったけど・・・


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

RAW現像で倍率色収差をケアすると随分良くなる。冴えない原因は倍率色収差か。ボケが汚いのは別問題だけど・・・


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

ボケが関係ない遠景は絞って撮ると良いじゃないの!こりゃびっくりだ。デジタル補正したらの話だけどね。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

RAW現像で使ってるとフィルム時代の残念な印象はない。

話は全部デジタル補正したらの話。化粧前はイマイチなので、撮影時はα7のEVFでピントが微妙に掴み難い。。。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠景定点テストの結果は褒められない。開放やF2は「どうしちゃったの?」って位に解像してない。F4あたりから良くはなって来るけど、倍率色収差でクッキリで線が太くなってる。これがフィルム時代に冴えないモッサリの原因か。。。F5.6ではシッカリ写って来るのだが、倍率色収差が隈取するのでモッサリした線に見える。F8だろうがF11だろうが、デジだと更にクッキリ収差現れちゃって気持ち悪い。近接のボケテストは以外とクセは無いが綺麗って程じゃない。

こうやって書くと、とてもじゃ無いけど使い物にならなそうだけど、デジタル補正ってスゴ~イ!立派に撮れてしまうのである。素晴らしい。色は分かれてるけどシッカリ結像してるので、僅かに補正するとパリっと良く写る。

あ、、、パナのLEICA D SUMMILUX 25/1.4も倍率色収差は似た様なもんだったな。。。フォーマットが違い過ぎるので物としての優劣は比較出来ないけど、得られる結果に関して云えば倍率色収差をケアした結果では遠景はAUTO MIRANDA EC50/1.4とα7の方が、D SUMMILUX 25/1.4&G3より得られる結果は良い。