2019年1月16日水曜日

SEARS AUTO EE 1:1.4 f=50mm 106131 LENS MADE IN JAPAN



リコーの輸出専用機でM42自動露出機の「Ricoh Auto TLS EE」のSEARSブランド品 「SEARS Auto TLS EE」用の50/1.4。EEポジションがあって今で言うところのシャッター速度優先AEとして動作するレンズ。らしいのですが専用ボディを拝見した事が無いので、本当のところ如何に動作するのか良くわからない機構です。



レンズのお尻り、自動絞りピンの対角側に可動&バネで押し込まれるレバーピンがあって、これで絞り込む位置の指定をするらしいです。



M42レンズで絞り環にオートポジションがあるのは非常に珍しい。それ以外は極々普通の見た目と思いきや、銘板のシルク印刷のインクの色が銀色インクです。最近のレンズは銀色っぽいインクの印刷は珍しくないですが、当時は珍しいのでは?

M42のRIKENON55/1.4やCOSINONやCHINON、PORST等も含めて、近年富岡光学製と言われて中古で人気です。それらは焦点距離55mmなので、このレンズとは設計異なる物です。これの設計がどこか判りませんが他に同じ物と思える物も思い当たらず、その写りには興味が湧きます。


開放 - α7、JPEG

お猿さんの輝度差大きい日でしたがシッカリ写ってます。今どきのレンズのコントラスラとは抜けで劣りますが、モノコートの大口径標準レンズとしては発色も抜けも良好に思えます。周辺が大きく流れたりせず破綻の無い描写です。背景のボケはオーバーコレクションな古典的な標準レンズらしい描写。


開放 - α7、JPEG

最短域での開放です。これもお猿さんと印象同じです。古典的な後ボケで破綻もありません。平凡ではありますがキチンと作られてる印象。




F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

実使用では、撮影中も撮影後の画像処理中も全く不満はなかった。気持ち良く撮影し、「あれ~イマイチかも~」とならずに現像作業に没頭できます。







F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

コーティングが上等では無い古いレンズでは、曇空が僅かに覗く程度の輝度差でフレアが盛大に出てしまうレンズもある。特にレンズ径の大きいレンズは絞っての撮影時に絞りの反射が内面反射となるのか、絞ると返ってフレアが出てしまうレンズもある。このSEARS EE 50/1.4は、その様な事もなく快適に撮影出来た。撮影した結果は現代レンズのクッキリ感とは異なる解像しつつ柔らかい感じ。スパっとパカっと切れの良い現代レンズの方が高性能ではありますが、この感じのレンズは好き。特に曇り空の日はね。




F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

被写体に撮らされた写真2枚。ひとつ眼の視線を感じて撮った奴と(上)、強烈な眼差しを感じて撮った奴(下)


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放です。後ボケを詳細にみるとグリーンのカラーフリンジが目立ちます。ボケが綺麗なレンズでは無いです。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F8って結構被写界深度浅いよね。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

壁のテクスチャーも、ちゃんと描写してます。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

開放はモヤモヤでトンネルです。お猿さんでも崩れが少なかったの同様にモヤモヤとしてますが崩れて流れてません。絞ると良くなる予感を感じさせます。F2で中心のモヤモヤは随分改善。周辺は開放と大して変化なし。F2.8はマズマズですが未だ一寸イマイチ。F4から良い感じ。F5.6に絞って撮ってれば不満無い性能です。僕は「並のレンズはF5.6から良いレンズはF2.8から使える」と言ってるのですが、これはF4から。並としては上等です。少々黄色いのは経年劣化ですかね。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケはオーバーコレクションレンズらしい古典的な描写です。でも強烈な癖はないです。F2.8から過剰補正の癖が取れて綺麗になってきます。開放、F2とみられるパープルフリンジも減少します。開放でのパープルフリンジも酷いレベルではないです。

遠景撮影、ボケ撮影みて組み付けがシッカリしてる印象を持ちます。Kマウント時代のリコーは雑に組まれてる物が結構ある印象を持ってます。昔の方が丁寧なんでしょう。