2018年9月9日日曜日

EBC FUJINON 1:1.4 f=50mm FUJI PHOTO FILM CO. Lens-Japan (503570)



M42マウントのEBC FUJINON 50/1.4は前期型と後期型がある。前期型はガラスが黄変して真っ黄色になる事で有名な玉。今回紹介するのは後期型で黄変しないでクリアーなガラスの物である。ペンタックスのSuper-Takumar 50/1.4はクリアーな前期型から黄変する後期型になり、後期型の方が光学性能は高く見受けられた。EBC FUJINON50/1.4は逆の展開だけど、性能変化はどうなんでしょうか?聞き伝わる限りでは前期型の方が良いと聞きます。その答えは前期型をテストする時までお預け。今回は後期型を楽しみます。



M42時代のFUJINONはシッカリ作られてる。手の込んだカラフルな墨入れ、各所とも立派な造りです。Xマウント時代のやすぶしんの筒とは雲泥の差がある。この時代は兎にも角にもチープに作るって意識は無くて、普通にちゃんと各社作って居た時代。Xマウント時代のカメラやレンズをみると代を重ねるごとに徹底的に安いつくりになっていく・・・

ユニバーサルマウントと居えるM42マウントのレンズだが、フジの開放測光式M42マウント用の連動爪が絞り環に備わっていて、カメラやアダプターの形状によっては干渉して使用出来ない。写真のアダプターも、そのままだと干渉してしまうので、マウントの外周を自分でゴリゴリ削って干渉しないようにしてあります。


開放 - α7、JPEG

お猿さんでの描写は50/1.4としては普通に感じる。ハロでモヤモヤしてるが、まぁ並でしょう。湾曲は少々目立ちますがコレも並かな。ボケをみるとカラーフリンジが条件によっては目立ちそうな予感。


開放 - α7、JPEG

フチ子の顔のピントは甘い。開放の写りはお猿さん同様にハロっぽい。像は甘くてボケは若干硬い、昔の大口径標準らしい写りと云えば写りなので、積極的に活かせれば良いのでは?


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

見事です。F8で遠景撮影は不足を感じない。発色に濁りもなく綺麗に映えます。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

対逆光もフレアが気になった場面は無かった。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞っての写りはコントラストとカラーバランスが良好でRAW現像も容易い。カッチリと力強い。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

素の開放での写りはコントラストが低い現像から仕上げプロセスで調節。木漏れ日のボケは硬い。この場合はボケが小さいので目立たないが条件によってはカラーフリンジのケアをしたい。


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F2.8は、もう少し写るかと思ったが少々緩い。グッと良くなる境目の絞り値はF4ですね。大口径標準レンズ、性格が変わる絞り値を把握して置いて仕上げのイメージの絞りを選択してます。この場合はレンズの性格を把握しきって無かったけど、ま、結果的は甘めで良かったかな。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放はコマ収差も目立つし、ハロっぽくハイライトの諧調も乏しい。フィールドでの撮影では開放はイマイチ。光がフラットな条件では使えるけど、強く硬い光のしたで開放では破綻しやすい。個人的には開放での写りは相性悪いです。


F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

開放ではトンネルの中にドヨドヨした画像。甘い描写求める時でもF2にした方が中心はクッキリして来るから正解かも。F2.8で全体に良くなっては来るが、使った印象通りF4からの方が断然良い。画面内接円を画質的にカバーするのもF4から。ブランドの通ったメーカーのレンズの代表レンズとしての50/1.4としてはチョット物足らない。F4の画質をF2.8で頑張って欲しかった。F8に絞れば最外周は甘いが満足出来る画質になる。倍率色収差も簡単にケア出来る程度に抑えられている。


F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケはやはりリンギングが目立つ。開放からF2.8まではカラーフリンジも目立つ。ボケの性格も上等になるのはF4からだ。

絞っての遠景はクリアーな抜け発色と満足出切る解像で好きな写りだが、開け気味で撮った時はハロっぽくハイライトの諧調が失われる。これらを積極的に活かせるスキルと作風の人に使って貰えればレンズも幸せかな。

2018年8月16日木曜日

Nikon NIKKOR 50mm 1:1.2 369810



Ai50/1.2Sです。膨大なレンズ種類のニコンFマウントで50/1.2はAi50/1.2とAi50/1.2Sの2本だけ。AiとAi-Sのマイナーチェンジなので、実質的に50/1.2は一種となる。AFレンズでは標準F1.2クラスは登場してないし、この先も恐らくFマウントでは登場する気配は無い様子。これより設計が新しいのはノクトニッコール58/1.2だけなので、一般向けF1.2標準レンズとしては、2018/8/15現在で、これが最新レンズって事になる。(ノクトは特殊需要向けでしょ。) 驚く事にまだ新品で販売されてる超ロングラン品の一つ。オリジナルのAi50/1.2の発売が1977年って事なので凡そ40年前。2000年位には「まだ売ってんだ。スゲーな。」って感じだったが、2018年でもカタログに載ってるし、量販店で売ってる姿は地味だけど驚愕する。ニコン凄ぇ~よ。



50/1.2でもフィルター径はΦ52なのはNikkor。ズイコーさんのΦ49ほどでないが、それでも窮屈そうではある。先太りな筒でアダプターでα7につけても違和感少なく結構似合う。

Fマウントニッコールの絞り環は大口径の絞り値の設定の保持力が心もとなく、F1.2にもなると、気をつけないと設定してもF1.4に変わっちゃってる事が多いが、50/1.2は55/1.2等よりは保持力強い。これが単に新しいからクリックが強いのか、以前より改良されて居るのかは不明。

Ai50/1.2Sには銘板のNikonロゴにエラー品があるのを、数年前に教えて戴いた。40万番台のレンズで確認させて貰ったが、Nikonのoとnが変なのがある。



お判り頂けるかな?40万番台



これが私の36万番台。

マニアの方々は凄いですね。物知りです。
何番から何番がこの状態なのかは知りません。
きっと研究家の方々は答えを掴んでるのかも。


開放 - α7、JPEG

開放では周辺減光が大きいです。周辺減光に引っ張られてオート露出がオーバー目になってます。湾曲も大きいです。ボケは古典的ではありますが、硬いタイプではありませんね。若干条件によってはカラーフリンジが目立ちそうな気配あります。

昔のレンズレビュー等では、このレンズは柔らかいって書かれてました。フィルムで使った時の記憶では、確かにキレキレの印象は無く、湾曲が大きかったのであまり使って無いレンズです。でも、今なら大丈夫。湾曲なんか怖くないのでガンガン使います。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って遠景は全く不満ないです。距離離れると湾曲も改善されるっぽい。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

これは歪曲少々目立ちましたので、RAW現像時に直してます。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って撮影するとカリカリな印象はないですが、自然に解像してます。最終仕上げてで高周波を少しエンハンスすればパッキリ写る。何よりも色に濁りがなくニュートラルで抜けが良いので現像し易い。これは好い。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放で周辺減光が激しく甘いですが、変な話綺麗に甘いので現像でコントラストつけても破綻しないで、それなりに画になります。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

望海荘は洒落を超えた激坂の上。で、ここが正に激坂の麓。坂の上から車が落ちてきます。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

中近距離で開放で撮ると、背景ボケにカラーフリンジが、やはり目立ちます。ポートレートに柔らかい感じで良さげですが、カラーで撮るときはケアしないと鬱陶しい場合もありましょう。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

この湾曲はレンズの所為ではないかと思う・・・
湾曲も偽造なら、カメラも一台インチキっぽい。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

フィルム時代のイイカゲンな記憶と印象よりも、全然使いやすい好いレンズ。


開放 - α7、JPEG

最後に最短付近のフチ子。完全にファンタジーですね。やっぱりボケのカラーフリンジ目立ちます。



F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠景開放は像はヴェールの向う側。周辺は真っ暗。F1.4で極中心のモヤが若干晴れるけど、全体的には大して変わらない。F2で周辺減光大幅に改善されて解像もグッとあがる。このF2はいいですね。でも、F2.8はもっといい。F2.8は内接円を良像範囲がカバーする。個人的な経験則では並みのレンズはF5.6から、不出来なレンズはF8から、良いレンズはF2.8からってね。これはF2.8から立派です。F5.6で最外周以外はOK。倍率色収差は僅かに目立ちます。



F1.2 - F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケはカラーフリンジ以外は癖少なくて綺麗。周辺減光と湾曲でファンタジー感増し増し。遠景と同様にF2がGOOD。フォーカス部の切れと均一なボケが両立。カラーフリンジだけが惜しい。モノクロポートレートの人は好いかもね。(ポートレートやらんので無責任発言です。)

さて、長い事F1.2のレンズをリリースしてないニコンですが、うわさのミラーレスでは出て来るのでは無いでしょうかね。実用的にはF1.4もF1.2も変わりないと思いますが、昨今は超大口径単焦点レンズが人気です。F1.2が他社には在ってニコンには無い現状。カメラメーカーさんを選択する時に、若い人にとって少なからず影響があるのではと感じてます。40年経って遂に作られる超大口径標準ニッコール。ちょっと気になる存在です。50/1.1かも知れないしねー

あ、標準F1.2無いって書いたけど、これまだ売ってんだったねw

2018年6月18日月曜日

EBC X-FUJINON 1:1.6 f=55mm DM FUJI PHOTO FILM JAPAN (166764)



一眼レフ用に限らず50mm前後の標準レンズで口径F1.6のレンズはフジの50/1.6と、この55/1.6の二種類以外にあるのだろうか? 55/1.6はM42とXマウントがあるので3種だが、光学構成は同じ様子なので2種って事で。F1.6だけでも珍しいのだが、これは更に希少種。135判の一眼レフの大口径標準レンズは大概は変形ダブルガウスだが、これは珍種のビオメター(クセノター)タイプ。僕の記憶容量の小さい脳みそストレージの中で検索しても他にヒットしないタイプのレンズだ。(あるのかも知れないけど・・・)135判の大口径クセノタータイプだとキャノネットの45/1.9が思い浮かぶが、あれはバックフォーカス短い組込RF機。135判レンズ交換式一眼レフ用だと他にあるのかな?



ガウス系のレンズより筒が長いのが外見上の特徴?もともと長い筒にアダプター着けると更に伸びて135判一眼レフの標準レンズを多く見てる身には「長!」って印象を受けるのだが、今時のデジカメ用のレンズは筒が長いのが多いので見慣れてきたかも知れない。

筒の作りもXマウント末期の廉価な作りと異なり、普通にキチンと不満無い作り。重さはF1.4並の240g。


開放 - α7、JPEG

レンズ構成が珍しくても、通常撮影の写りでハッキリ判る特徴は感じない。ゾナータイプとダブルガウスタイプの比較だと、性格が正反対的な違いがありますけど。


開放 - α7、JPEG

最短撮影距離45cmなので結構大きく写る。ボケのエッジに少々カラーフリンジが目立ちます。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F8で撮ってると全く不満無い。このレンズの評価と言えないけど、Xマウントのオリジナルカメラで使ってるより、α7にアダプターで使ってる方がカメラの感触良いので幸せかも・・・


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放で極端にハレーション起きない感じで画は作りやすかった。カラーフリンジは出るのでケア必要。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F4 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

さて、困った。せっかく珍しい光学構成なのだから、通常と明らかに違う個性を提示したい所なんだけど、撮った結果は普通にキチンと写ってしまいます。そりゃそうだよね、では些末な違いを求めていつものテストを見てみましょ。


F1.6 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠景テストの場合は個性ではなく解像性能。開放では中心も含めてトロトロです。F2開放と大して変わりません。F2.8で幾らか良くなりますが中心だけの話で少々残念な状態。F4で随分改善されてきます。どんなに暗くても記念写真はF4が限界ですね。F5.6は良いです。実用的にはF5.6なら全域で、まずまず不足なし。F8かF11がベストです。絞って全体にシッカリ写りますが、キレッキレなレンズには感じません。倍率色収差は良好に補正されてます。


F1.6 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

この条件でのボケは開放では水彩画チックです。巧く言葉で表現出来ませんが、見慣れたダブルガウスとは気持ち違うように見えます。でも、これがクセノター構成の所為なのかはサッパリ判りません。(笑)

さて、このレンズなんでクセノタータイプなんでしょう?何か狙いがあったのでしょうか?僕の想像ですが、エンジニアさんの遊び心だったのでは無いでしょうかね?チャレンジと研究を兼ねた遊び。135判一眼レフ用の大口径標準レンズは変形ダブルガウスが確立されてる時代です。カメラ発売の度に標準レンズ作ってる感じのフジフィルム、きっと毎度の事で飽きちゃってたのではないかと勝手に想像してます。

なんにしても、55/1.6ってスペックも珍しくて、光学構成も珍しいレンズってのは持ってて嬉しい。知ってる人に見せるとニヤっとしてくれます。