2016年5月5日木曜日

KOWA SETR 1:1.9 f=50mm Kowa Co., Ltd. Japan No.603156



KOWAのレンズ交換式レンズシャッター一眼レフSETRシリーズ用の50/1.9標準レンズ。KOWAと云えばコルゲンコーワとPROMINARなワケだが、残念ながらこのレンズにはPROMINAR銘は付いてない。普及クラスのレンズシャッター一眼レフ用って事でPROMINARは名乗らなかった様子。



最初の状態だと、どこからどこまでがレンズ本体なのか判り難い。本来はデッケルマウントと呼ばれてるレチナやベッサマチック等と同様に絞りリングはカメラ本体に付いている。
(デッケルマウントって呼ぶと不愉快そうなクラシックカメラの重鎮様もイラッシャルので怖いけど便宜上ね・・・)

ボディからマウント外して適当なSONY FEマウントにくっ付けたアダプターとセットで借りた物。アダプターにはシャッターダイヤルも付いてるけど意味は持ってない。右のレンズをご覧頂けば判るように交換レンズ単体はコンパクト。



α7での見た目も使い勝手も、極々普通。先日店で某社のレンズエンジニアさんがレンズの前縁がピカピカしてるレンズは有り得んって、現行某社のレンズを見て云ってたけど、昔は前縁がクロームだったりダイヤカットされてるレンズって結構ありました。

このレンズPROMINAR銘は貰えなかったけど、「カメラ毎日」のテスト評価でビックリ100点満点を与えれた。凄いレンズなのである!!!

何しろ100点満点である。どんだけ凄いのか気になって仕方がない。でも、カメラ毎日の点数はコストパフォーマンスを考慮しての点数なので良く判らないのである。

そんな気になって仕方無いレンズを今回借りたので使ってみよう。


開放 - α7、JPEG

何時ものお猿さんの開放。後ろのボケは、この時代のレンズらしい二線ボケにリンギング。カラーフリンジも結構あるが、真ん中のお猿さんは案外クッキリ。おぉ、想像よりいいね。真ん中以外は関知して無い様子も窺えるけど悪くない。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

お猿さんは悪く無いと思ったのだけど、どうにもこのレンズはフレアがでる。どっかにゴーストとか一部にフレアと云うのでは無く、画面全体にフレアがカブってコントラスが激落ち。無理に治すとトーンが足らなくて残念な画になる。

それにフレアでピントが見え難い。これに限らず撮った写真でピントが甘いのが多かったのだが、撮ってる時にEVFでもイマイチ掴めなかった。定点テストでは合ってるので僕のミスなんだけど、フレアのヴェール被ってて判り難いのなんのって・・・

ファインダー覗いてても、そんな状態なので興味深々だったありがたい借物なのに、一気に写欲が激落ち・・・


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

今時のレンズだと卒倒しそうなボケだけど、おじさんは全然驚かない。それよりもフレアが押えられれば中心は結構良い。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

これも若干ピン外したっぽい。デジタル補正してあるが、この手の被写体ではケアしないと不愉快な程度に湾曲は結構ある。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

光がフラットならあまり絞らないで近景を撮った方がこのレンズは良さそうだ。遠景は湾曲とフレアで結構残念なカットが多かった。



F1.9 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

開放からF4までは周辺はモヤモヤ。F5.6からグッと良くなる。F8はナカナカ立派だ。湾曲はイマイチだけど、倍率色収差は良く補正されている。オーバーインフの改造アダプターで撮るから実使用で遠景のピント外すけど、本来の使い方ならピントは外さないだろう。その場合は悪くは無かったと思う。



F1.9 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

過剰補正玉らしい古風なボケ。お猿さんのボケよりは近接の収差変動で硬さが取れてる。後玉の小さいレンズシャッター一眼用のレンズは周辺回った感じになるのは仕方無いのだろうか?

改造アダプターでα7での使用では、フレアのせいで芳しくはない。定点テストをみれば普及品と思えば性能は悪くないのだろう。でも、使いたいかと問われれば、進んでは使わないな。

コストパフォーマンス加味しても満点は無いと思うけど・・・・(記事の批判じゃないよ感想です。)
レンズの評価も、雑誌の記事も、時代で視点の立ち位置が変るからね。興味を持たせてくれた意味では記事もレンズも満点の華丸だ。

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