2019年2月4日月曜日

AF NIKKOR 50mm 1:1.8 (4592180)



全身プラスチックのAI AF NIKKOR 50/1.8Sです。これの距離情報入りのDタイプは2019.2月現在もカタログに載ってます。市場価格では2万円弱なのでCanonのEF50/1.8STMと同じく手軽に買える単焦点交換レンズだけど、これが話題になる事はあまり無いですねー。恐らく中身はシッカリしてるのでしょうが、外装は何もここまでしなくてもって位にオールプラスチックです。マウント以外は全部プラ。

さて、このレンズは薄型標準レンズのSeries E50/1.8と光学は同じだそうです。薄型で安価がセールスポイントのE50/1.8用に斬新なコンセプトで設計された様子のレンズ。で、わざわざ小さく薄く設計したレンズを一般的な大きさの筒に収めたのが、これの先祖のAi 50/1.8って事です。設計時からEとAi用として設計してるので、流用ってワケでは無いです。



ご覧のようにフード要らずです。(つけますけどね)これは最近知ったのですが、Nikonでは小さく出来る物を立派に見せる為に大きくしてたレンズは多々あったそうです。これもその内に入るレンズですね。マクロレンズの様にレンズが筒に奥まって収まっていてフード無くても大丈夫な位です。事実を知るまでは「フード効果を考慮して奥まってるのかな。」と解釈してましたが、実は商売的なハッタリだったのです。(笑) 身も蓋もない話は大好物なので美味しく頂きます。

Ai50/1.2Sと同じく光学設計は40年も前のレンズです。NIKKORの50/1.8は産業用としてアチコチで使われてる様子です。無くなると困る業界が沢山ありそうなので、まだまだ現役でいるのかも知れません。


開放 - α7、JPEG

お猿さんです。開放から中心部の描写はシッカリしてます。モヤモヤ感もありません。背景のボケ描写は年式らしい描写です。ボケのエッジにカラーフリンジ目立ち、二線ボケ傾向も強めかも。歪曲は非常に優秀ですね。電柱が真っ直ぐ突っ立ってます。


開放 - α7、JPEG

巨大フチ子の最短域です。このフチ子は15cm位ありますから勘違い禁止です。ボケのリンギングが細いですが強目。このタイプは僅かに絞れば無問題のレンズが殆どです。僕は写真への撮影結果としてのボケ描写は殆ど気にしません。キレイに滑らかにボケようが、二線ボケだろうが、どうでも良いに近い感覚。(ベッタリしたパープルフリンジはケアしますけど。)でも、ボケの様子は凡その球面収差の様子を教えてくれるので興味深い情報です。


F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

必要十分以上に良く写ります。僕はα7にアダプターでMFで使ってますが、純正ニコンの一眼レフで使用すれば軽快で快適に使えるでしょう。D610買った人がコレを買うとは思えないけど、中古でニコンのフィルムAF一眼を買ってみた若人にはお薦め。1000円で買えたD60とかに着ければ最高じゃないのw



F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

湾曲少ないレンズは縦構図で建物撮った時に幸せ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

アダプターでMFで使用してると不満なのがフォーカスリング。滑り悪くて残念。レンズ内モーターのレンズでフォーカスリングの感触がザラザラしてるのありますが、感触ザラザラでも操作に問題無ければ気持ちの問題。このレンズは動き出しに抵抗があって、動き出すとスカっと抜けるので微妙なピント調節がやり難い。実害のある感触の悪さです。AFで使った方が100万倍幸せです。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F8で極四隅以外はキッチリ描写するので安心。この手の被写体で端が流れてると残念ですからね。逆光耐性も気になる場面は無かったです。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

これは開放で砲口にピントです。中心でなくても開放でピントはそれなりにシッカリ。ボケは少々硬く詳細にみるとカラーフリンジも目立ちます。中景、近景を撮った時の背景のアウトフォーカス部が、現代のレンズほど考慮されてません。デジタルカメラでの撮影など思いもよらない時代のレンズですからね。(現役で売ってますけど・・・)


F1.8 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

このレンズは最小絞りがF22まであります。デジカメだとF16やF22は微細なゴミが写り込んどしまうので滅多に使わないですね。このテストでも写ってますがご容赦下さい。

開放とF2は殆ど差がないです。中心は結構ヌケがいいです。周辺へは成り行きで像が甘くなって行きますが、流れて崩れるタイプではありません。画質向上は穏やかなレンズです。ある絞りから急激に描写が向上するタイプではないです。絞ると段々に向上してきます。F4やF5.6で実用十分写ると言えますが、本音のレベルではF8まで絞った方が幸せです。F5.6ではピリっとしません。F22まで絞っても最外周の本当の四隅は甘いです。小型化の為に極四隅は諦めてる様子です。左下のパラボナアンテナで分かりますが倍率色収差は良好に補正されてます。

周辺減光はF2.8まであります。F4でほぼ解消です。ここでも歪曲少なくて殆ど真っ直ぐなのがわかります。都会で使いやすいレンズです。


F1.8 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

近景でのボケは、お猿さんの時よりキレイです。強いパープルフリンジもありません。抜群にキレキレだったりしません。飛び抜けたピークがあるレンズではありませんが、全体に程よくバランスの取れた設計が伺えます。ピーク性能を目指すと、ピークから外れた条件で粗が出ます。写真用レンズは無限遠から最短域まで撮影条件範囲が広く落とし所が難しいはずです。このレンズは小型化、低コスト、等の制約があるなかでピーキーにならずにセンスよく纏められたレンズと見受けます。

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