2016年7月19日火曜日

XR RIKENON 1:2 50mm RICOH LENS MADE IN JAPAN 52Φ (262070)



XR RIKENON 50/2、このレンズは思い出深い。僕が最初にお金を払って買ったレンズなのだ。正確には初めて小遣いやお年玉を貯めて買ったカメラRICOH XR500に付いて居たのが、このレンズ。買い直し品ではなく、写真のレンズが正に買ったそれ。XR500と共にカメラもレンズも完動品で所有してます。

SMC PENTAX-M 50/1.4 の項でも書いたが、大口径とマルチコートに魅了されてチョイチョイと父のSMC PENTAX-M 50/1.4 に浮気して居た。それでも、自分で買ったXR50/2は大事だったし、最初の相棒として愛さずには居られない。



当時のCMをyoutubeで見つけたが、これは発売後しばらく経ってからのCMだ。1979年ごろの印象に残ってるブロアーで「ヒカヒカ~」ってやるバージョンは見つからなかった。

手にしたカメラを嬉しそうに大事に清掃メンテナンスしてるCMは、遂に一眼レフを買った小学生には凄く共感出来たCM。最初のバージョンどこかに無いかな?



時を経てα7に納まってるXR50/2図。違和感無いね。

コストダウンの為のマイナーチェンジを重ねていくXR50/2ですが、光学系は全部一緒だと認識してた。今回これ書くにあたって世の中でどんな扱いなのかググッたら、最終型の50/2Lは光学系が違うって云ってるサイトがあったりしてビックリ。「そんなの初耳知らね~ぞ!」って、その筋の方々に確認したところ、当時のリコーの中の人から、同じ光学系だとお答え頂いた。

と、こんなインターネットの僻地で呟いても、最終型50/2Lは違うって伝説は広まっていくのでしょうねぇ・・・


開放 - α7、JPEG

お猿さん、開放値F2なんで、この程度は写りましょう。子供頃から使ってるけど、このレンズの写りに不満を感じた事は無い。今こうして詳細にみると背景のボケの様子から、所有してるXR50/1.4と比較して廉価ではあるが比較的キチンと組まれて居る様だ。当時の最低価格一眼レフの付属レンズとしては十分以上なCPだ。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

モノコートレンズだと思うが、真夏のピーカンだったが、どの場面でも抜けは良かった。


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F8やF11での写りは文句なし。絞り羽根とセンサーによるフレアーも出ずに、パキっと切れる。デジとは相性良いレンズ。


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

湾曲も目立たない。軽くて良く写るしいいね。子供頃はSMC PENTAX-M 50/1.4のマルチコートに惑わされて居たけど、今比較すると絞っての描写はXR50/2が上。

いかん、開けても撮って置かないと・・・


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

で、無理無理に開けて撮った。ボケも強いクセは無い。状況によっては2線ボケは出るが、弱い過剰補正のガウス玉は程度の違いあれど、どれもが持ってるクセ。アウトフォーカス部のカラーフリンジが目立つ程では無いので、開け気味でも使い易い。

久しぶりにXR50/2を使うに当たって、ネットの世界での扱いをググって覗いてみた。冒頭の最終型XR50/2Lの光学系が違うって話もネット民が言ってた話。XR50/2の話に限らず、オッサン時代の人間は知らないネットの中で出展不明の常識があったりして驚かされる。

XR50/2をググッたらネットあっちこっちで和製ズミクロンとかプアマンズ、ズミクロンって言葉が飛び交ってた。「え~まじ~!そんなの誰が言ってたの?」って思って、僕だけ知らないのかと身の回りのカメラ趣味オッサンにも確認したら、そんなの知らないって云われた。良かった世間知らずは僕だけでは無かった。

「玉ボケ」「タムキュー」「和製ズミクロン」、知らない間にカメラマニア界もネットの世界で新しい常識が生まれ育ってるようです。



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ではさて、和製ズミクロンってSNS世代が呼んでるレンズの実力を拝見しよう。実使用で絞っての写りは十分に素晴らしかった。でも、それだけでズミクロンと匹敵って事にしちゃうのは少々乱暴なんで、比較してみると面白いよ。

2カムのSUMMICRON-R 50/2を以前掲載してるので、そっちの遠景テスト画像と比較してみよう。

SUMMICRON-R 50/2の開放F2のテスト画像とXR50/2を比較してみると、「あちゃ~!いきなり夢破れたり。」 ゴメンナサイ真面目な話で勝負にならない程度にズミクロンの圧勝です。F2.8も負け、F4も負け、F5.6辺りで勝負になってくる。F8、F11なら遜色無いかな。

それよりも画質って云うより、ズミクロンは言葉で表現が難しいのだけど、良くも悪くもゴチっと固い描写。このゴチっと感は国産玉には無い特徴で、何が違うのが実際には良く判らない。でも、違う。

XR50/2にはゴチっと感は無い。まぁ、和製ズミクロンの称号は、値段の割には良く写る、同じ50/2ってスペックだから言われてるので、そんな深い意味は無いのでしょうね。それを踏まえても開放付近を描写を比較すれば、幾らなんでも和製ズミクロンは褒めすぎ。そもそも誰が最初に言ったんだろ?

それでもXR50/2は良く写ってお買い得なのは間違いない。

---- ちょい追記 ----

和製ズミクロンの起源を少々しらべてみた、ネットをググると2007年からあちらこちらで書かれだし、2010年前後にはネット民の常識となってる様子。そもそもはアサカメのチャートテストでズミクロンと開放から肉薄する数字を出したってあたりに、起源があるようだ。記事を読んでないので、記事の中で和製ズミクロンなる記載があったのかは不明。

チャートテストの結果で「ズミクロンと変らんやん!」と喜んでしまっただろうね。チャートの数字は写りの極々一つの数値でしか無いのが良く判る好例ですね。開放遠景の写りを比較すれば、数値は同じような物でも、画は違い過ぎ・・・

---- 追記終わり ----



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

スーパーカブのボケ撮影はご覧頂いて判断してください。特別綺麗でも無いですが、極端にクセがあったり汚い事はない。なんら問題感じない。先にも書いたがカラーフリンジが比較的目立たないのは実際に使う上では結構ありがたい使い易いレンズ。

今回使ってみて予想外にデジタル(α7)と相性が良い印象だった。デジと相性いいのも近年一部で人気が高い一因なのかも知れない。(本当に人気なのか真相は知らないけど・・・)

初期型から最終型まで光学系は一緒と書いたが、このXR50/2より更に廉価なRICONAR 55/2.2と云うのがRICOHさんにはある。RICONAR 55/2.2が生まれた経緯なども、元RICOHの方から教えていただいたので、その内レンズと会わせて紹介したい。

4 件のコメント:

  1. RICONARって、XR-RIKENON 55mm f:2.2と同じですよね。両方持ってます。

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    1. 55/2.2は2000本くらいしか作られてないチョイレア品だそうです。
      大切にして下さい。(笑)

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    2. 沖せんちょ2016年8月16日 19:33

      ワォ! 2000本ってファーストロットで終わりって事ですよね…。

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    3. そうです。聞いた話では量産試作て名目のファーストロット。

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