2014年5月19日月曜日

Sonnar 1:1,5 f=5cm Carl Zeiss Jena Nr.2014202



Carl Zeiss Jena のSonnar 50/1.5のライカLマウント。胡散臭いです。僕はこの辺りの事情に造詣深くないのでサッパリです。どの辺りも造詣深くないですけど。

LマウントSonnar50/1.5については、「極々少数造られた本物がある。」って人と、「そんな物は存在しない、あるのは全部でっち上げ。」とのご意見に分かれるようです。考えられるパターンは三つ。

  • A : Carl Zeiss Jena が造った本物。
  • B : ContaxマウントのJena Sonnar50/1.5をLマウントに改造したもの。
  • C : ロシアのJupiter-3(L39)ベースの偽装品。

で、これはどれでしょう?見れば見るほどにJupiter-3に見えてくる。やっぱり「C」だと思うのが妥当かな?だけどね。フェイクSonnar50/1.5でネットを漁って出てくる画像で、これと同じ外見の物が見つからない。もちろん、本物って云われてる画像とも違うけど・・・



フェイクSonnarってどれも皆「T」マーク入り。Jupiterを偽装して偽物造るなら、当然もっともらしく「T」は入れるでしょ。でもこれは「T」って書いてない。。。ひょっとすると、戦前Sonnar50/1.5をLマウント改造した物なのかも知れない。Zeiss Jenaの電話帳みたいなシリアル番号帳を調べれば判っちゃうのかも・・・

レンズ単品写真とちょっと違うのは、単品写真はシリーズ6フィルターの枠を取っ払ってあるから。同じレンズです。

行き詰った所で思考停止。判んない事を考えても仕方ないので、ある物で撮って遊ぶ。


開放 - α7、JPEG

もはや恒例のお猿さん。これも続けてきたら定点になって来た。しかも今回は大いに役立ったのだ。海ブドウのような背景ボケを覚えて置いてね。像流れて解像悪い。渦巻く感じは無い。


F16 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F16 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F16 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

Webサイズだとクッキリバッチリに見えるかも知れないが、絞っても解像悪い。プリントすると残念な写り。Raw現像で色収差をキャンセルしてるからマシになってるが、それでも洒落にならない程度に遠景は残念。


F2 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放付近で色収差取ってやると、微妙なマッタリ感がある。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞っても冴えないので開けてしか撮らない。Tコーティングも無いのにフレアっぽい感じは無い。ハイライトも結構しっかりしてる。


開放 接写リング - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

ボケテストしてみたら、近接のボケが非常に綺麗な事が判って、チューブ付けて接写してみた。綺麗にトロケて良い感じだ。Sonnarって伝え聞くと近接の収差変動大きくて接写性能はイマイチ的な話をうろ覚えして居たが。確かに複写はダメだろうけど、甘くなるのが幸いする場合も多そう。もっともこのレンズの場合は遠景が・・・



F1.5 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22



F1.5 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

定点テスト、ボケテスト、どちらも非常に興味深い結果がでた。一眼レフ用のF2より明るい標準レンズは粗ガウス型の仲間で、大抵は描写は違えど同じような傾向を見せる。けど、Sonnar50/1.5はガウス君達の常識は当てはまらないようだ。

定点テストをパッと見てビックリ仰天「糸巻き」だ。これだけで十分に「へぇ~、そうなんだぁ。」である。周辺減光も面白い。開放での減光は比較的少なく良好に見える。けど、F2.8位に絞っても大して改善もされて無い。F4位になると明らかに改善されてくるが、絞っていっても減光の改善は穏やかな変化。しかもF22に絞り切っても若干減光が残ってる感じ。α7との相性なのかも知れないが興味深い。

定点テスト、開放では極中心以外には像が流れてピント無い。古いレンズにも関わらず内面反射っぽいフレアが少ないのは、ガウスに比べて反射面の少ないゾナーの利点なのかな?絞っていくにつれ放射状に像が流れて行くのは改善されるが、F16、F22まで絞っても解像は甘い。解像しないのは倍率色収差が多いのが原因の一つのようだ。色収差は今までテストしたレンズの中でも断トツに目立つ。定点テストの結果はお世辞にも褒められない結果だ。

ボケテスト、ここでもガウス君達の常識を覆す。この距離の後ボケは開放からF5.6あたりまで大変に柔らかくて綺麗だが、さらに絞っていくにつれて徐々に硬くなっていく。逆に前ボケは開放付近は2線ボケ傾向ありだ。これも大変興味深い。これって中々標準レンズだと出会えないアンダーコレクションって奴?でも、絞り切って行くとボケが硬くなるのは単純にアンダーコレクションとは違う気がする。それに実際に使った時のボケの印象とも異なる。近接撮影時の後ボケは非常に綺麗だが、通常撮影では、それ程でも無いのはお猿さんと比較するとよく分かる。テストのピント位置はウインカースイッチのLとRの間の「-」なのだが、ピントは来ない。近接の収差変動の話、実体験から確認出来た。先に先入観で見るより、実写結果から追った方が面白い。

ストーリーとしてガウス君に対してゾナー君の性格が引っくり返ってる必然性はないのだけど、テストの結果は何もかもが違うのが面白い。他のゾナー君達も楽しみになった。

そうそう、テストの結果は伝え聞く戦前ゾナーの特徴と重なるのは気のせいかな?特に解像しなくて、色収差目立つなんてあたり・・・

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                           以下、2014.5.22に追記
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三脚立ててる場所は全く同じ。画像中心はスカイツリー。左下パラボラアンテナに注目。


CONTAX G Planar 45/2


CONTAX N Planar 50/1.4


SMC PENTAX 55/1.8


Jena Sonnar 50/1.5 L39

あっれ~?

これは、、、Lマウント改造の時にばらされて、デタラメに組まれて焦点距離が変わっちゃってる疑惑あり・・・

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                           以下、2016.6.7に追記
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Lマウントゾナーについて、実焦点距離は50mmではなく、60mm位だと云うお話を聞いた。もしかすると、もしかしちゃうのも知れない。

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