2014年5月1日木曜日

VOITGTLÄNDER S NOKTON 50mm F1.5ASPHERICAL (9321091)





このレンズは借り物。RF標準レンズの経験値と所有本数が少ないと云っていたら、常連のMさんが貸してくれたレンズ。

コシナのVOITGTLANDER銘のニコンSマウント外爪バヨネット仕様の50/1.5。プロミネントのNOKTON 50/1.5のリバイバルと云うよりはオマージュ的な物なんでしょうかね?これはこれで面白いと思うし、レンズとしては魅力ある物だと思うのですが、会話の中で話題にする時に「オリジナルのプロミネントのノクトン」とか、「コシナ、フォクトレンダーのノクトン」とか少々面倒くさい事にはなってます。特にコシナのフォクトレンダーのノクトン50/1.5は、Lマウントから始まって、Mマウントと、このSマウントがあってヤヤコシイ。あれ?Cマウントもあるのかな?などと混乱してたら、最近になって再度「vintage line」なんて発売されていた。。。もともとはプロミネント・ノクトンのオマージュかと思っていたが、「vintage line」はLマウント・ノクトンのオマージュとコシナのHPにシッカリと書いてある。ようするに非球面を駆使した現代レンズをクラシカルなレンズ鏡胴に入れましたって事。コシナさんのHPにも「最新性能をクラシカルなスタイルで楽しめる、趣味性の高い交換レンズです。」とある。(表向きはね・・・)

懐古趣味的なレトロ調って云うのは基本的に嫌いだが、デザインは伝統的な意味のクラシックは感じるが、レトロとは感じない。普通にモダン。RFのレンズはバックフォーカス短いので、α7にアダプターで装着しても極端な天狗鼻に成らないから収まりいい。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

この開放での残存収差は確信犯でしょう。最新性能レンズをクラシカル鏡胴に入れたと云うより、「最新製造技術でクラシカルなレンズの写りも作りも再現した。」ってレンズでしょう。現代レンズらしい濁りなくクリアーな発色で、抜けとコントラストも良好。けど、開放付近の描写は周辺に行くに従って見事に崩れていく。中心部のシャープ感からすると、崩れがワザとらしくさえ見えちゃうけど、意図された崩れなので、PENTACON PRAKTICAR50/1.8のように不快に汚い事もない。


F2.8位?F2かも? - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


たぶんF2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F2.8くらいでは未だ崩れが残る。深度による立体感とはちがう。ワザとアオリを外したような立体感が出たりする。少し絞るとピント面はスッキリシャープ。情緒が足らない私にはあんまり向いてないかも・・・


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

きっちり絞った写りは紛れもない最新レンズの写り。半逆光でも見事な抜けで気持ちいい。この写りを見ると、開放付近の写りが確信犯だと確信するのである。



F1.5 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16



F1.5 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

定点の遠景テスト、ボケのテストをみて感心した。とにかく完全にコントールされた描写。遠景テストは開放から中心はシャープだ。コントラストも高い。周辺に行くにしたがって像が綺麗に溶けていく。崩れると云うより溶ける。実使用ではF5.6に絞れば、全体に均一に感じるけど厳密には四隅は溶けてる。この像の溶けるのが無くなるのが最小絞りF16。開放、絞り切るまで収差がコントロールされてるのがうかがえる。

ボケは前ボケ、後ボケ、どちらも綺麗でリンギング感が無い。背景の距離で渦巻く事はあっても二線ボケに成らない。お見事だ。

コシナの小林社長さんとは何度かお会いする機会があって、少しお話をさせて頂いた時に「収差を如何に残すか」的なお話が印象的だったが。今回NOKTON50/1.5ALを使って納得。

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